シンプルなタイトルかつ同名映画が存在しているために間違えやすい『映画/アローン』、2017年フランス作品のほうになります。ネタバレとラストの考察を含みますので、未鑑賞の方はくれぐれもご注意下さい。
アローン
(原題:SEULS)
2017年 フランス
主なキャスト:
ソフィア・ルサッフル
ステファン・バック
ジーン・スタン・デュ・パック
ポール・スカーフォリオ
キム・ロックハート
トマ・ドレ
監督:ディヴィッド・モロー
ネタバレ無しのあらすじ
入院中の兄の容態が悪化した事で心を痛めていたレイラ(ソフィア・ルサッフル)は、気を紛らわせるために移動遊園地へ。
しかし気付くとなぜか自宅に戻ってきており、家族も含めて町から全ての人間が消えてしまっていた。
人を探して町を彷徨い4人の生存者と出会ったレイラは、彼らと共に謎を解明しようとするのだが…
・・・といった内容の作品。
ここからいきなりネタバレ含むよ!!
ネタバレあらすじフロー
今回はいつもの『キャストで戯言』はございません。だってほぼ無名なばかりなんですもの。
そして映画としても雑と言いますか…なんと言いますか…。
じっくり腰を据えて考察するような内容でもありませんので、もうネタバレ含めたあらすじをフローにして戯言を添えるという形式にしちゃいましょう。そうしましょう。
- レイラが気付くと町は無人
- レイラは顔はそれほどでもないものの、身体はムチムチ…を通り越したわがままボディなので、走るたびにぶるんぶるんとデカい胸が揺れすぎ。もう気になる事この上なし。
- 生存者五人でサバイバル
- お子様・黒人・メガネ・女メガネ、という一見個性豊かな五人が集結。しかし一人一人のキャラが弱く、ある意味没個性。
お子様は癒し担当。
メガネは金持ちのボンボンなので高級車を提供する係。
黒人は頼りになるワルを演出。
女メガネは後ほど覚醒し「白ドレスにボウガン」という萌えビジュアルにクラスチェンジ。
- 謎のドローンとナイフマスター襲来
- 『人類消失系SFサスペンス』だと思っていたら、不意にぶっ込まれるマンガチックな要素。
救助隊だと思っていた無線の通信相手は、実は彼らを追う謎の敵でした!…という展開も「うん、だと思ったよ」としか言えず。
黒人枠のドジはちょっぴりレイラとラブになるという死亡フラグを立てた後、斬新な飾り付けになってチーン。
- 実はサウルでした
- 謎のナイフマスターを捉えたぞ!…と思ったらそれは囮。この時に通路の奥をドローンと共に通り過ぎていったのが本物でした。
攫われたカミーユを追ってついに黒幕と対峙してみると…それは物語冒頭にニュースで報道されていた誘拐事件の被害者サウル。え?どゆこと?
- 実は死んでいました
- なんと五人は全員、移動遊園地を訪れた際に火災で死亡。この世界は現実ではありませんでした。
…なので、死んで埋められたドジも掘ったら復活(笑)
なんかよくわからない茶番が繰り広げられた末に、とりあえず「あの煙の向こう側を目指そう」という事で落ち着いた一行は煙に突入!
- そこは美しい世界
- 光過敏性発作を起こしてしまいそうな画面点滅を伴いつつ、どうにか煙の先へ。
そこには美しい世界。そして美しい建物。
あらやだ、ここは天国?
私は死んじゃったけど、みんな愛してるわ…さよなら…
- かーらーの、ドーン!
- 自分たち以外にも多くの若者が集まり、建物の上を見上げて雄たけびを上げ始める。
その先には…なんと倒したはずのサウルがっ!
ああ、そういう事ですか…でエンド。
ラストの意味は?
綺麗にまとめられて終わってしまうのかと思いきや、しっかり最後にもどんでん返し。
高い建物のてっぺんにはサウルが不敵に笑っていました。
ここ、意味がわからんかった方も多いようです。
これは私の勝手な考察ですが…要するに彼は『自分と同様に若くして亡くなった死者の魂を弄ぶ』といった行為を楽しんでいるのではないかと。あの世界では彼は神のような存在なのでしょう。なんでそうなったのかは知りませんけど。
もしくはあのように『死者に対し悪意に満ちたテストを行い、それを超えてきた者の魂を集めている』とかかもしれません。なんでそんな事しているのかも知りませんけど(笑)
本作には原作漫画があるそうですので、そちらを見れば全く別の意味合いを持つのかもしれませんが…残念ながら私はそちらを見た事はありませんので、勝手な想像と妄想です、はい。
感想としては…
うーむ。
しっかりと「驚愕のどんでん返し」的な事をやってきてはいるのですが、全体的に予想の範疇を出ない事が多く「あ、そうだったんですか」で済んでしまう展開なのが少々残念。
さらにはアホみたいに高級な車をバンバン使って金がかかっているように見せつつも、それ以外の部分はちょっと…。
フードを被ったままバイクで疾走しているのにバタバタとなびく事すらない…という手抜きっぷりや、鳥瞰視点での車移動はまるでゲームのように不自然な動きのバレバレCG。水から上げた途端にすっかり乾いている衣服などなど…「乗り物に予算使いすぎたのでは?」と心配してしまうチープさが漂います。
正直な感想としては『何も残らない映画だった』という印象でしょうか…。いや、たしかにぶるんぶるんは目に焼き付きましたが、厚手のトレーナー+上着を着用ですし…。