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今回の1本は『映画/デス・ルーム』

記事タイトルでオムニバスという単語を使いましたが、本作品を構成する4つの物語は完全に独立しているわけではなく『冒頭~4つの物語~それらのまとめオチ』という流れになっています。

疑う余地なくB級映画なのですが、もはや映画というよりもテレビドラマレベルと言っても良いのではないかと…

デス・ルーム
(原題:TRAPPED ASHES)

2006年 アメリカ

主なキャスト:

ヘンリー・ギブソン
レイチェル・ヴェルトリ
ララ・ハリス
ジョン・サクソン
アメリア・クック
ミシェル・バーバラ・ペレティア

監督:ジョー・ダンテ、ケン・ラッセル、ショーン・S・カニンガム、モンテ・ヘルマン、ジョン・ゲイター
脚本:デニス・バルトーク

ネタバレ無しのあらすじ

数々の有名映画が撮影されたウルトラ・スタジオの見学ツアーに集まった男女6人。

伝説のホラー作品『ヒステリア』が撮影されたセットへと入った6人+ツアーガイドは、その恐怖の屋敷内へ閉じ込められてしまう。

「ヒステリアと同じように、集まった者が自らの恐怖体験を告白すれば出られるかもしれない…」というツアーガイドの提案により、6人はそれぞれの身に起こった恐怖の体験談を話す事に。

果たして彼らは屋敷から生きて出られるのだろうか…。

・・・といった内容の作品。


ここからネタバレを含むよ!!
全4話+オチを短めに個別にいくよ!

ちょっと長いが6つに分けて…

あらすじで『6人が…』と書きましたが、恋人同士と夫婦のペアは2人で1話。合計4話になります。

ではせっかくですので、感想の戯言も各話ごとに書いてみましょうかー。

プロローグ

物語開始からぷんぷん漂うチープ臭。いいですねー、この安っぽいB級感。

私はB級映画と一括りに呼ばれるものでも好き嫌いが非常に分かれる人でして、ダメな作品はとことんダメ。ツボにハマるととても楽しく鑑賞する事ができます。

そしてその感覚はおおむね一般人の逆です(笑)

…と、6人が集まって話が開始しました。ではトップバッターお願いしますっ!

豊胸手術したらモンスターおっぱいになった話

DVDパッケージなどで『死』『エロス』を全面に押し出してきている本作品ですが、残念ながらそのどちらも微妙。

しかし第一話は先陣を切るだけあって、おっぱり露出率は高め。なにせ話の内容がそのまんまおっぱいの話ですから(笑)

ベッドシーンもあるものの、とても嘘くさいおままごと疑似セックスシーンですので…そこらへんのサスペンス映画のほうがよほどエロスを感じられるでしょう。

全体的にグロいというか気持ち悪さが目立つので、エロス目当てで見るには苦しい内容です。そして純粋に短編ホラーとして見るにも…やはり苦しい気が…。

白人夫婦が日本で杉本彩に会う話

個人的にはこの二話目がいろんな意味で一番ブッ飛んでいるのではないかと。

舞台は日本。あちらの映画で日本人役というと、なぜか中国人を使われる事が多いですが…しっかりと日本人俳優を起用してくれています。しかも意外に有名どころ。

雰囲気イケメン『セイシン』は比留間由哲(ひるまよしのり)。中井貴一主演の『映画/壬生義士伝』で長倉新八を演じたり、『NHK大河ドラマ/北条時宗』で北条宗政を演じたりしていた彼です。

住職役の石橋凌はメジャーですので、イロイロ出演している人です…で良いでしょう。それよりも婦警役が杉本彩だったのが衝撃でした(笑)

『舞台が日本』『知ってる日本人俳優が出演』というだけでなんとも言えない空気が漂うのですが、そこに『アニメーションを混ぜる』という手法がカオス感を加速させていて困惑です。もはや勇者ヨシヒコを見ている気分でした。

しっかりおっぱいも見る事ができますが、内容がオカルトホラーですのでやはり気持ちよく興奮する事はできません。というか女優さんもちょっとアレですし…。

親友の彼女はおっぱいNG女優だった話

三話目はムサいオッサンかー…こりゃエロスは期待できないかな…と思いきや、個人的には登場人物中で一番の美人が登場(演じる女優はアメリア・クック)。こりゃ胸が躍ります。

しかし三話目にしてやっとエロスを楽しめますかー、とワクワクしたのも束の間…ん?コイツおっぱい出さないじゃんっ!!(笑)

ベッドシーンは雰囲気エロで露出は無し。騎乗位も着衣のまま。おーい!おっぱいNGならこんな映画のオファー受けないでくれよー!

蟲の話

もうエロスはどこかへ吹っ飛びました。第五話は「そんなに激しく!?」と思うようなシーンが一瞬あるだけで、あとはただただCGの胎内とベタなホラーを見る内容です。

まぁ…話の内容としては悪くはないんですが、決して面白くもありませんでした。蟲師にお願いしたほうが良いお話です。

エピローグ

さぁ全員(ペアは2人で1話)が体験談を話したぞ、これでどうなるのやら…となったところで、最初から怪しさプンプンだったツアーガイドが各話にオチを付け加えるという流れになります。

ここで鑑賞者は気付くわけです。

…6人全員、死人だったのか!

…と。

いやー、ミソクソに低評価を連発されている作品ですが、この部分だけは誉め称えたいです。

え?途中で気付いてた?…すごいですねー。私はここに至るまでそういうオチだとは思いませんでした。

世にもき…

映画は最終的に『ツアーガイドこそが映画ヒステリアの監督、デズモントだった』という種明かしで幕を閉じます。

なぜ彼は死人の魂を弄ぶような事をしているのか?果たしてウルトラ・スタジオとは現実世界なのか?

そういった事に言及する事もなく、ガイドカーに乗って彼は去っていってしまいました。

もうアレです。アメリカ版『世にも奇妙な物語』です(笑)

面白かったか?と聞かれてしまえば答えに困りますし、人にオススメできますか?と聞かれれば「できません」と即答、そんな映画です。間を数年ほど空けて2度鑑賞しましたが、相変わらず答えは変わりませんでした。

気持ち悪い系の映像が多いので「ごはんでも食べながら気楽に~」といった鑑賞には不向きですし、エロス目当てで見ても物足りなさが残るばかり。…だからといってパッケージや煽り文句に騙されてデスゲーム系のシチュエーションホラーを期待しても、そんな作品ではありません(笑)

まぁ…なんでしょう…映画人生の経験の1つとして見ておくには…アリかな?