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注)当記事は『映画/ジグソウ ソウ・レガシー』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意下さい。

今回はコアなファンを大量に生み出した『映画/ソウシリーズ』の続編となる、『映画/ジグソウ・ソウ・レガシー』引っ張り出してみました。

私はシリーズは全作鑑賞済み、1と2に至っては数回観ているのですが、この『レガシー』に関しては…うーむ…ソウシリーズとして観るには、ちょっと惜しいような…。

ただし、様々な部分でしっかりと『ソウシリーズのファン向け』に作られていますので、スピンオフ的な気分で鑑賞すればなかなか面白いのではあります。

ジグソウ:ソウ・レガシー


2017年 アメリカ

主なキャスト:

マット・パスモア
カラム・キース・レニー
クレ・ベネット
ハンナ・エミリー・アンダーソン
ローラ・ヴァンダーヴォート
マンデラ・ヴァン・ピーブルズ
ポール・ブラウンスタイン
ブリタニー・アレン
ジョサイア・ブラック
トビン・ベル

監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
脚本:ジョシュ・ストールバーグ、ピーター・ゴールドフィンガー

ネタバレ無しのあらすじ

殺人鬼ジグソウの死から10年。

公園で発見された死体から、パズルピース型にくりぬかれた傷跡が発見される。それは殺人鬼ジグソウこと、ジョン・クレイマーの被害者である証であった。

彼は死んだはずでは!?まさか生きていた?それとも模倣犯?

・・・・・・・・・・

密室で鎖に繋がれ、頭には金属バケツを被せられた5人が目覚める。

次々に繰り広げられる『ゲーム』に、1人また1人と脱落者が出ていく…。

・・・・・・・・・・

・・・という2つのシーンを行ったり来たりで展開される作品。

まずはネタバレ無しの話から!

ソウ・シリーズ

ソウ・シリーズは1~6+ザ・ファイナル3Dの合計7作品が発表されていますが、監督が変わったり脚本が変わったりするせいで面白かったり面白くなかったり…浮き沈みが激しい作品でもあります。

個人的に1は文句なし、2はちょっと豪華にした感じでOK。3は展開が面白いので許せるのですが、4からは「描写のインパクトで押すだけ」の作品になってしまい…5~6はイマイチ好きになれない…といった感じです。

ザ・ファイナル3Dはそれなりに巻き返した感があるものの、やはり初代ソウが好きな人間としては「ただの残酷描写押し映画」のようにも感じてしまいます。

しかし本作品『ジグソウ:ソウ・レガシー』の売りは「原点回帰」

いざ鑑賞してみると、しっかりと『目覚めたら見知らぬ密室だった…』という王道のシチュエーションを押さえつつ、ゴア描写よりもサスペンス色の強い作りになっており、ただの残酷シーンで押す雰囲気ではありません。

しかし、緻密に練られたシナリオか…と問われれば残念ながらそうではなく、ものすごくツッコミどころ盛り沢山(笑)

あまりにもご都合主義な展開と、穴だらけのシナリオで進む物語ですので・・・そのへんでテンション下がってしまう人には不向きな作品となっています。

後半のどんでん返し感はなかなか面白いんですけどね。


ここからネタバレを含むよ!!

俳優は魅力的だが…

過去のソウシリーズは全作通して「キャストが微妙」というのが難点でした。

ジグソウ役のトビン・ベルだけは素晴らしいものの、なんというか…華やかさが足りないというか…。男女ともに微妙な俳優が多く、そのあたりがとてもB級映画っぽさを漂わせていました。

しかし本作はけっこう頑張っていますよ。あまり名前が知られていない俳優ではあるものの、アナ役のローラ・ヴァンダーヴォートは美人ですし、ハロラン刑事役のカラム・キース・レニーはちょっぴりダニエル・クレイグ+エド・ハリスが入っていてシブカッコ良い。

エレノア役のハンナ・エミリー・アンダーソンは眼鏡をかけても可愛いですし、外しても美人です。そしてやたら色っぽい(笑)

過去シリーズは全体的に重っ苦しい雰囲気があったのですが、本作はキャスティングのおかげでそのへんが緩和されている気がします。そこを良しとするか、こんなのソウじゃないやい!と嘆くかは、人によると思いますが…。

おかしい点を挙げたらキリがない…

とにかく最初から最後まで、10分に1回は「おいおいっ!おかしくないか!?」とツッコミたくなる映画ですので、『おかしい点』を並べていったら原稿用紙10枚分くらい書けそうなほど。

特に肝心の『ゲーム』までツッコミどころ満載ですので、このあたりはアレコレ考えずに奇想天外なアイデアだけを楽しむのが良いかと…。

さらには同時進行で描かれる捜査のほうも「それはないだろっ」と思うような事の連続ですし…。

そう考えると決して面白い映画ではないんですよね…。しかしなぜでしょう、意外とすんなり見れてしまうのが不思議です。

どんでん返し多数

ツッコミどころが多くても許せる要因の1つに『どんでん返しが意外と面白い』というのがあるのですが、なんと後半にはジグソウ本人までも登場。

あれれ!?死んでなかったの!?とか思う前に、また会えた事が嬉しくて嬉しくて…。

思わず「お・・・お久しぶりですっ!!」と挨拶してしまいました(笑)

タネとしては「同時進行だったのではなく、実は10年前に行われていたゲームの映像だった…」という事になるのですが、これ…ソウ3で似たような展開を使ってましたよね。。。

ある意味ファンには懐かしい種明かしではあるのですが、そのせいか早い段階で「あ…もしかしてリアルタイムではなく、過去のヤツか…」と予想がついてしまいました。

しかし『ローガンが後継者だった』は、私は全然予想できませんでしたよ。そうきたかー、と純粋に面白かったです。

それにしても…ジグソウの後継者、多すぎない?

過去シリーズにも何人か『後継者』とされた人間はいましたし、そうなるとローガンと時間がかぶってる事になるんですよね…。お互いに面識とかあるんでしょうか…。

あのキメセリフが…

なにはともあれ、シリーズファンとしては「それなりに楽しめる映画」でした。

どうせ過去の人気に便乗しただけのクソ映画なんだろうな…と思っていましたので、少し安心です。

『新たなソウシリーズ』としては認めがたいものはありますが、懐かしさを味わうには最適なのではないでしょうか。あのテーマ音楽が流れてくるだけでテンション上がりますよね。

そんなコアなソウファンはこいつでも買っておきましょう。私のスマホにはこれの三輪車バージョンがついています。

しかし1点だけ。どうしてもファンとしてこの映画の許せない部分は…

なんで最後に扉を閉める時に「…ゲームオーバー」って言わないのよっ!!

…に尽きます。大事な大事なキメセリフでしょうにっ!(笑)