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タイトル、パッケージ、ストーリー、演出・・・その全てに脱力感しかない『映画/必殺!恐竜神父』でネタバレ戯言。というかネタバレや感想など意味をなさないレベルの作品ですので、まずは見てみろ。それしか言えませぬ。

特に仕事に疲れた方や、彼女にフラれて落ち込んでいる方、生きるのが嫌になってきた方、最近の暗いニュースに疲れた方にはうってつけの映画ではないかと。

もう仕事も彼女も人生も、世界もウイルスも戦争も、全てどうでも良くなってきますぞ。

まぁそれら全てどうでも良くなってはマズい事柄なんですけど。

必殺!恐竜神父


2017年 アメリカ

キャスト:
グレッグ・コーハン
アリッサ・ケンピンスキー

監督:ブレンダン・スティーアー
脚本:ブレンダン・スティーアー

ネタバレ無しのあらすじ

敬虔な神父のダグ(グレッグ・コーハン)は両親が乗る車が爆発炎上(文字VFX)する光景を目の当たりにし、信仰への迷いから中国へと旅立つ。

忍者に追われる乙女から『恐竜の牙の化石』を手渡された彼は、なんと恐竜に変化する能力を得てしまう。

たまたま出会った娼婦キャロルと共に、悪に正義の裁きを下すのだ。いけいけ恐竜戦士、いや恐竜神父!

・・・といった流れで、映画演出とは何か?を問われるような最低作品。

超脱力系・Z級映画

わたしゃ昔から『気分屋』『熱しやすく冷めやすい』『しかし何度も再加熱する』という性分ですので、映画もアホみたいに観たり一切観なかったりの繰り返し。

ここ最近はまるで映画を鑑賞する気分になれず、それどころか映画のことを考えるのも嫌なほど映画離れの時期に入っております。

…が、そうも言っちゃいられない。

タケノコのように乱立する映画ブログ界隈では1週間更新をサボるとアクセスだだ下がり。いくら好き勝手なことを垂れ流すだけの趣味空間とはいえ、お客が激減するのはやはり気分の良いものではないですからなぁ。

しかし観たくないものは観たくない。その葛藤の中で発見した一筋の光、それがこの『映画/必殺!恐竜神父』なのですよ。

もうタイトルからして『一切気負う必要無し!テキトーに見てテキトーに書いて良し!』の匂いプンプンじゃないですか。

まさに『映画/バニー・ザ・キラー』と同じ香り。いや、それ以上か。

これなら観れる!…と思う!

笑って良し

タイトルからお察しの通り、本作は『B級(以下)』の低予算作品。(総製作費は約400万円とのこと)

この手の映画には『作り手側は大マジメに作っているが、低予算(とアレコレの理由)でスベッている(のが面白い)』というパターンもあるじゃないですか。『映画/ユニコーン・クエスト/禁じられた森』などがその例ですな。

正直、そういうパターンの作品を笑うってのは少々ためらうのですよ。

私も創作系の仕事なので、笑ってもらおうなどとはこれっぽっちも思っていない作品に対し、どんな意味であれ「笑う」という行為をされるのはムカつきますし。

しかし本作に関してそんな心配はご無用。

しっかりと開始5分で

こいつら本気でふざけるつもりだな

と察知するには余りあるほどの脱力アプローチがありますから。いやー良かった、これで好きなだけツッコめるというもの。

そしてこちらが安心して構えたミットに向かって、アホみたいな演出の超魔球を投げるわ投げるわ。

『神に見放された地=中国』という展開に「その表現大丈夫か?」と思う間もなく、いきなり『ゆるい忍者』が出てきたかと思えば約2分で中国シーンは終了!

明らかに狙ってるだろ感のある間延びしたカメラワークや、間延びした尺、間延びした笑い。

そしてついに現れる、ゆるさ400%の恐竜戦士!いや、恐竜神父!(神父感は皆無。というか戦士感も皆無)

やべぇ!!興奮してきたぞこれ!!

ざっくりネタバレあらすじ

この『必殺!恐竜神父』のストーリーをざっくりネタバレると…

ざっくりネタバレあらすじ
『必殺!恐竜神父』

神父のダグはなんか知らんけど恐竜戦士という名のハリボテに変身できるようになりました。

偶然娼婦のキャロルと知り合い、これまた偶然にも彼女を苦しめる悪党(ダグの親の仇)を排除したダグに彼女はド惚れ。

共に世にはびこる悪を退治し続ける事になるのでした。

そしてダグの前に現れる謎の忍者軍団。その黒幕は同じく神に仕える者たちというよくわからん展開。

でも恐竜でガオー。首もブチーン。しつこい尺で獲ったどー。

キャロルも死んだと思ったら無事。

彼女は元気です(強調)

しかしまだ世は悪人だらけ。これからは世界を飛び回って悪いヤツを恐竜パワーで退治し続けてやるぜ!

…完。

…というお話。

正直中盤あたりに中だるみを感じ、序盤は笑えた絶妙な間すら「ダルい」と思えてきたりもしますが、相変わらず意味不明な笑いをとってくるのでなんとか最後まで乗り切れる仕上がりではないかと。

途中、ちょっとだけラブシーン的なものもありますが、どうやらキャロルを演じるアリッサ・ケンピンスキーは露出NGの女優らしく下着着用です。うーむ残念。

超個人的な戯言感想

脚本、演出、カメラワーク、音響、演技、それら全てが完全に『既存の映画の枠』を逸脱した独自の世界観を作り上げてしまっているため、もはや他の映画作品のように感想を述べて良いのかどうか。

しかし一言で言えば

最低な映画

これに尽きますな。

いえいえ、この『最低』は「あなたってサイテーよ!」の最低ではなく、「がははは!最低だなオイ!」という賛辞の意味での最低。このニュアンスが理解できない方にはそもそも向いていない作品と言えるでしょう。

新しい映像編集ソフトを買った素人が『とりあえず手あたり次第に機能を試してみた』的な映像演出を笑えるかどうかは人によると思いますが、予想以上に俳優の演技はガチですので、恐竜と忍者さえ見なけりゃ45分ドラマレベル以上のクオリティを保っているのではないかと。

いや、保ってねぇか。

とりあえず見てくれ。ホント、言葉で説明できねぇんだわ。