巨匠・黒澤明監督の『映画/七人の侍』をベースとし、西部開拓時代へと舞台を移した『映画/荒野の七人』、そしてその荒野の七人をリメイクした…という触れ込みの本作『映画/マグニフィセント・セブン』
言わばリメイク作品のリメイクという事になるのですが、正直な感想としてはどちらもリメイクとは言えない気が…。
そもそも『リメイク』の定義自体あやふやなんですけどね。個人的にはオマージュ作品、といった印象です。
マグニフィセント・セブン
2016年 アメリカ
主なキャスト:
デンゼル・ワシントン
クリス・プラット
イーサン・ホーク
イ・ビョンホン
ヴィンセント・ドノフリオ
マヌエル・ガルシア=ルルフォ
マーティン・センズメアー
ヘイリー・ベネット
ピーター・サースガード
マット・ボマー
キャム・ギガンデット
監督:アントワーン・フークア
脚本:ニック・ピゾラット、リチャード・ウェンク
リメイク元は『映画/荒野の七人』、さらにそのリメイク元は『映画/七人の侍』
ネタバレ無しのあらすじ
アメリカ西部、開拓時代。
小さな町ローズクリークに住む住人達は、近郊の金鉱山を独占しようと目論むバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)とその手下により町を追い出されようとしていた。
ボーグに夫を殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)は町を救ってくれる人間を探し求め、凄腕のサム・チザム(デンゼル・ワシントン)と出会う。
エマの依頼を引き受けたチザムはさらに6人の仲間を集め、ローズクリークの町を救うために勝ち目のない戦いへと挑むのだった…。
・・・・といった内容の作品。
キャストで戯言
なんてったって『主役級が七人』ですから。そりゃ豪華にもなります。
上の動画スタート画面がちょうど七人並んでいるので、真ん中から行きましょう。再生ボタンが邪魔なセンターポジションはデンゼル・ワシントン。安定感抜群の大物俳優です。
その左にはイーサン・ホーク。庶民的イケメン俳優だった彼もだいぶ小汚い親父キャラが板についてきました。相変わらず良い表情を見せてくれますねぇ。
デンゼルの右はクリス・プラット。出演作品の多い俳優ですが、個人的には特に思い入れはありません。良い俳優だな、と思う程度で。
その外側、イーサンの左がマヌエル・ガルシア=ルルフォ。こちらは初めましての俳優でした。しかも周囲に比べてちょっとキャラが薄くて…。
右のサンタクロースみたいな体型の方はヤバいキャラでお馴染みのヴィンセント・ドノフリオ。今回は善人よりですが、やっぱり少々ヤバいです(笑)
一番外側の二人、左はイ・ビョンホン。そっち系にまったく興味のない私でも知っている有名俳優ですな。えーと、CMのアレ、なんでしたっけ…「あなたがぁぁー、ちゅきだかだぁぁー」ってやつ。あ、違った。それはチャン・ドンゴンでした(笑)
最後は右端、マーティン・センズメアーになります。全く知らない俳優でしたが、とても好きなキャラでした。メイクをすると稀に石橋貴明に見えたりします。
メインの七人でずいぶん長くなってしまいましたが、さらに住民や敵方も豪華かつ魅力的な俳優がぞろぞろ。
まずは紅一点(他に女性町民もいるけど)、ヘイリー・ベネットでしょう。もう個人的には主役級の注目度ですよ。何がって?もちろんその自己主張の強すぎる胸の谷間が、です!!(笑)私はお目目パッチリの女性が苦手なので、ぼんやりしたルックスもツボです。
憎き敵役のピーター・サースガードは有名人ですので、彼を目当てに見る方もいるかもしれません。しかし私はそっちではなく、隣で相変わらずの小悪党っぷりを発揮してくれるキャム・ギガンデットのほうが大好き。たまりませんね、彼のこのニヤニヤした嫌な雰囲気。
なお2012年の企画段階ではトム・クルーズを主演とする話が出ていたそうで、さらにモーガン・フリーマン、マット・デイモン、ケビン・コスナーの名が挙がっていたとのこと。
うーむ…、こっちのキャストで作られていたらどうなっていたんでしょう…。
荒野の七人の侍
『映画/荒野の七人』のリメイクという表現もされる本作ですが、個人的にはもうリメイクとは言わないのではないかな…と。
たしかに至る所に『荒野の七人』を感じさせる設定やセリフ・演出が散りばめられていますが、やはり似て非なるもの。中途半端に荒野の七人を期待してしまうと「これじゃない感」が漂いますので、あくまでも別作品として鑑賞したほうが楽しめる気がします。
さらに『映画/荒野の七人』は日本作品『映画/七人の侍』のリメイクとか言われたりもします。こちらは作品テーマなどで納得できる部分はあるものの、舞台が『戦国時代の日本→西部開拓時代のアメリカ』となりますので、やはりリメイク…と呼んでよいものやら。
リメイクの定義がはっきりしているわけではありませんので、「いやいやしっかりリメイクだろ!?」と感じる方がいても良いとは思います。思いますが…私の中ではどれもオマージュ作品扱いです。
ここからネタバレを含むよ!!
意外にあっさり命を賭ける七人
まずは七人集まらないと物語が始まらない!という事で、さささっと七人集まってくるわけですが…どうにも動機付けが薄いというか、軽いというか…
金目当てだったり、なぜか知らないけど手伝ってくれるのは別にかまわないんです。そういう人もいるでしょう。
しかし『絶対に勝ち目のない戦い』『我々は全員死ぬだろう』というクソ重い空気を盛り込んでこられると、どうも違和感が。
自らの命を捨ててでも困っている町を救う。という熱い志を持って集まってきた感は全くないのに、後半はいつの間にか全員そういうノリです。このへんはハリウッド映画でよくある『いつの間にかキャラが変わっている』という定番の現象ではあるのですが、大物映画を引き合いに出されてしまっているだけに残念感が否めません。。。
とにかく気になる胸の谷間
もうコレですよ、この映画はコレに尽きます。
作品冒頭から「なんだその主張の強い胸の谷間はっ!!」というインパクトがありすぎです。
- 神すら冒涜するボーグの悪逆っぷり…の合間におっぱい。
- ああ!勇気ある旦那さんが非情にも撃ち殺された!!…と思ったらおっぱい。
- チザムは過去にいったい何があったのだろう…という気持ちの横におっぱい。
- あ、少し上着を羽織ったから男達の熱い戦いに集中できるぞ…と思ったらすぐ脱いでおっぱい。
- 卑劣なボーグにチザムが撃たれた!!…いや、撃ったのはおっぱい。
もうおっぱい祭りです。いや、たしかに好みの女優がこの服装なのは嬉しいんです。嬉しいんですが…これってハードボイルドな西部劇ですよね?
もはや『映画/おっぱい・セブン』です。
単純に単体作品として観れば…
七人の侍とか荒野の七人とか、そういうしがらみ無しで純粋に鑑賞すればなかなか面白い映画でした。
カッコ良い男達が集まり、ガンガンに銃をぶっ放して悪人をやっつける。痛快なガンアクションエンターテイメントです。
漫画チックで出来すぎ感もありますが、主要キャラの死に様もなかなかカッコ良いですし。七人全員が魅力的です。あ、バスケス(メキシコ人)だけはちょっと薄いですけど。
ものすごく否定されそうですが、個人的には七人の侍や荒野の七人よりも『映画/ヤング・ガン』を思い出しました。内容は全然違うんですけどね。なぜでしょう…。
なにはともあれ、こういう映画でこんなに『おっぱい』という単語を打つことになるとは思いませんでした。もうアレです、『映画/P2』の時と同じで、『お』と打っただけで予測変換が即座に『おっぱい』と出してくれるようになりましたよ。
便利だなぁ、技術の進歩って。