実話ベースの監禁モノ、『映画/マッド・ストーカー 監禁地獄』でネタバレとあらすじを含む戯言を。
”地獄”なんてサブタイトルがついているからどんだけヤバい感想になるかとおもいきや、監禁モノとしては実に地味でゆるーい空気でして…。
マッド・ストーカー 監禁地獄
2019年 アメリカ
キャスト:
アリソン・ハニガン
ハウイー・レイ
ダフネ・ホスキンズ
ダニエル・ネメシュ
あらすじ
誠実な牧師の夫と二人の子供に囲まれ、幸せに暮らす元教師のメアリー(アリソン・ハニガン)。
布教活動のためフィリピンへの引っ越しを控えていた一家だったが、メアリーと娘ベスは怪しい男ミン(ハウイー・レイ)の手によって拉致。犯人宅のクローゼットに閉じ込められてしまう。
果たして男の目的は何なのか。約50日に及ぶ監禁の結末は・・・。
・・・といった流れで、「これが地獄?」と思うような地味な展開の監禁劇。地元の花火だって見に行っちゃうぞー。
注!)予告編動画は外国語版&低画質
ネタバレ不謹慎戯言
そのタイトルから”ストーカー系監禁モノ”であることはすぐにわかる『映画/マッド・ストーカー 監禁地獄』
監禁モノはそりゃもう目を覆いたくなるようなエグい作品が大量にありますので、そこに『地獄』なんて付けられたら「もしかしてあんな事をされちゃう?いやいや、こんな事までするのか!?」と、見る前からドキドキですよ。
・・・が、しかし。
本作は目の肥えた監禁映画マニア(ド変態)を唸らせるようなエゲつない描写は無し。それどころか数ある『監禁モノ』と比べても非常にマイルドで地味な作品となっております。地獄ってこんなに緩かったのか…。
先日、同じく実話監禁モノの『ガール・イン・ザ・ベースメント』で「余計なストーリーを加えて綺麗ごとにすんな!!」と憤ったばかりですが、こっちは逆に「そのまますぎて地味すぎる!もっと何か加えろ!!」と言いたい。言いまくりたい。ホント、人間って勝手な生き物ですなぁ。
そもそもね、こんな事言っちゃアレですが絵ヅラに全く華がない。
冒頭にメアリーとベスが監禁された時点で、
ちょ、おまえ、本当にその二人でいいのか!?
…と犯人を心配してしまいますもの。
監禁して遊ぶには娘は若すぎるし、母親は歳をとりすぎてません?もっとこう、若い母親とかギリギリいろいろできそうな年齢の娘にしたほうが良くない?、と。
いやいや、世の中には年配女性が大好きな人もいますし、一桁年齢の幼女にハァハァする変態がいるのもわかりますよ。しかし映画としてどうなのよ。
そしてその犯人もアジア系の小男で、不気味さはあるもののやはり洋画としては地味。
さらに監禁場所も自宅1階のクローゼットに取って付けたような南京錠を付けただけ。バケツを置いていたのにトイレもしっかり行かせてくれる。食事はダイニングで仲良く食べ、ナイフもフォークも使わせてくれる。
これ、B級監禁モノだったら「隙を見て犯人の首にフォークをグサッ!!」で血がブシャー!となりそうなのに、メアリーは敬虔なクリスチャンなので激しい抵抗は一切無し。
地獄!?これが監禁地獄!?
たしかに『監禁される』という体験は決して楽しいものではないでしょう。そんな状況を楽しんでいたら私好みのド変態女です。しかしこれで『地獄』なんて言ってたら、歴代の監禁被害者からグーで殴られますぞ。花火まで見にいってんじゃん、おまえら。
そして最後も普通に隙を見て脱出し、普通に警察に保護され、普通に犯人は逮捕。そして相変わらず信仰がどうのこうのといった美しいお言葉で終幕。
・・・・え?終わり?
最後に『犯人の子供を妊娠していました』とか、そういうエゲつないの付けなくて良いの?
『実話』でした
実話をベースとした映画は最初に『この作品は実話です』的なテロップが入ることが多いのですが、この『映画/マッド・ストーカー』はそいういったものはなく、被害者メアリーのちょっと電波入った語りから開始。
終幕後にちょろっと実際の写真を何枚か並べ、被害者や加害者のその後が描かれております。
そう、実話ベースのお話なのですよ。
わたしゃてっきり完全フィクションの監禁モノだと思って鑑賞していたので、ただただ盛り上がり無しのつまらん監禁映画だなー…と思って見ていましたが、これが実在の事件を基としていると知ったうえでの鑑賞ならば別だった気がしますなぁ。
そうであれば『自宅から見える距離の花火イベントに連れいて行く』とかゾゾゾッとする行為ですし、劇中で唯一盛り上がった『父の日にパパに電話をかけさせる』の部分も、さらに奥深いモノになったのではないかと。
「もう最初に言ってよ!!」って感じですな。
超個人的な戯言感想
いやー、参った参った。
『美人ではないオバチャン被害者と、地味なアジア系の犯人』というだけで、大好きな監禁モノでもこんなにテンション下がるものなんですなぁ。
それに加えて山無し・谷無し・バイオレンス無し、エゲつないどんでん返しも無しで、結末もあっさり風味で終わると来たら、盛り上がる部分皆無ですよ。
唯一、父の日に電話をさせる部分だけは盛り上がりましたよ。でもそれ、終了10分前ですぞ(汗)
一応申し上げておきますが私は人種・性別・容姿・年齢に関して、偏見や差別の感情はほぼありません。いつもそんな発言が多いですけど。
それでもやはり『若くてぷるんぷるんしたお姉ちゃんが被害者、ヤバくて汚いド変態野郎が犯人』のほうが監禁モノは盛り上がりますなぁ。
あ、そうだ!忘れてました。
父の日よりも花火よりもショッキングな部分があったじゃないですか!
メアリーが「年齢は?」と聞かれ、
「39歳」
と、しれーっと答えた瞬間は「ええー!!!」と衝撃を受けましたよ。
すまん、てっきり50歳くらいだと思ってた…。