今回の1本は『映画/プライベート・ライアン』、もはやアレコレ言うまでもない超有名作品であり、珠玉の戦争映画になります。
それだけに真っ当な解説や批評・考察などは吐いて捨てるほど溢れていますので…今回は「公開から20年以上経つ」という事を踏まえつつ、ちょっと別の視点から戯言を。
プライベート・ライアン
1998年 アメリカ
キャスト:
トム・ハンクス
トム・サイズモア
エドワード・バーンズ
バリー・ペッパー
アダム・ゴールドバーグ
ヴィン・ディーゼル
ジョヴァンニ・リビシ
ジェレミー・デイビス
マット・デイモン
ポール・ジアマッティ
ネイサン・フィリオン
リーランド・オーサー
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ロバート・ロダット、フランク・ダラボン(クレジット無し)
ネタバレ無しのあらすじ
過酷なノルマンディー上陸作戦を生き抜いたミラー大尉(トム・ハンクス)とその部下達は『ジェームズ・ライアンという空挺隊員を救出せよ』との任務を受ける。
その兵士は四人兄弟の末っ子なのだが、兄三人がことごとく戦死してしまっために『最後の一人はなんとしても無事に母親の元に届けなあかん!』という上層部の意向によるもの。
単なる一兵卒を救うために8人の男が命懸けで敵地へと侵攻するという、ある種馬鹿げた任務ではあるのだが…。
・・・といった流れで、戦争の残酷さをこれでもかと見せつけてくる超大作。
注)動画は予告編ではなく、作品冒頭『ノルマンディー上陸作戦』の一部になります。
全力でキャストで戯言
すでに有名な人から当時はまだ無名な人まで、改めて見るととにかく豪華な俳優陣が揃い踏み。ダラダラ書くと読みづらい上に無駄に長くなるので…箇条書きでまとめてしまいましょう。
トム・ハンクス(ジョン・H・ミラー大尉)
最も説明不要な超大物。近年はコロナウイルスに感染したりも。
熱烈なファンが多いのであまり大きな声では言えませんが、個人的には嫌いな俳優です。下の動画は好きですけど。
トム・サイズモア(マイケル軍曹)
骨太キャラが多い名俳優。今回はトム・ハンクスを支える忠実な部下を名演。
あれれ、この頃はずいぶんとお太りになられてたんですね…。
エドワード・バーンズ(リチャード・ライベン)
最後の最後まで生き残る人。若かりし頃のベン・アフレックにめちゃくちゃ似ているけど別人です。
個人的には特に思い入れのない俳優であります。
バリー・ペッパー(ダニエル・ジャクソン)
テキパキとハンドサインで伝える姿、寡黙に敵を狙う姿、左利きなのに右手用のライフルを扱う姿、とにかくカッコ良くて中学生男子を虜にするスナイパー。
本作の翌年、『映画/グリーンマイル』にて再びトム・ハンクスと共演しているものの…近年はB級作品にちょろちょろ出ている程度。
アダム・ゴールドバーグ(スタンリー・メリッシュ)
『ナイフでゆ~~~っくり胸を刺される』という、作品中1、2を争うイヤな死に方を迎えるユダヤ人。
ちょいちょい映画出演もしつつ、主な仕事はテレビドラマ。一時期クリスティナ・リッチと交際していたという噂。
ヴィン・ディーゼル(エイドリアン・カパーゾ)
おじさんから娘を預かったせいで狙撃されてチーンの兵士。
今ではワイルドなスピードの人として有名な彼も、当時は全くの無名。なんでもその存在感に惚れたスティーヴン・スピルバーグが、彼のために特別に役を与えたとのこと。
めっちゃデカそうなイメージなのに、身長は182cmとさほどでもないのが意外ですな。
ジョヴァンニ・リビシ(アーウィン・ウェイド)
一家に一台、衛生兵。主演は少ないものの、『映画/パブリック・エネミーズ』や『映画/アバター』など有名作でちょいちょい顔を出す名脇役。
ちなみにトム・クルーズの騒動でおなじみのサイエントロジーを信仰しているそうです。
ジェレミー・デイビス(ティモシー・アパム)
影の主役とも言えるヘタレ野郎。ノーマルさんには最も感情移入しやすいキャラ。
かなりの演技派なのに出演作は少なめ。かの有名な『映画/ドッグヴィル』とその続編『映画/マンダレイ』に出演していたようなのですが、どの人だったでしょう…覚えていません。
マット・デイモン(ジェームズ・ライアン)
コイツのせい(ではないけれど)で大変な目に遭う事になった、四兄弟の末っ子。
本作以前から注目されてはいたものの、大ブレイクするのは少し先。今では超有名な俳優に成長を遂げましたが、なぜかルックスはゴリラ化。この頃はイケメンだったのに…。
『その他、(一部で)有名な俳優』
メインの8人+ライアン以外にも…
人違いで号泣する偽物ライアンはネイサン・フィリオン
壁をぶっ壊して大騒ぎの原因を作る兵士はポール・ジアマッティ
重すぎる輸送機で墜落したデウィンド少尉はリーランド・オーサー
などなど…映画好きならば「おっ!」と思う俳優がチョイ役として出演。この豪華さ、幕の内を通り越して松花堂弁当のような映画ですよ、ホントにもう。
ソウル・サバイバー・ポリシーとは
本作の『一兵卒のため、多数の兵士が命をかけて救出に向かう』という設定。そんなバカみたいな作戦あるかっ!と思う方もいるでしょう。私もそう思います。
『人間の命は大事』『一人はみんなのために、みんなは一人のために』などと言われますが、それは綺麗ごとが通用する世界での話。どこに戦争で『1人を救うために10人失う』なんてバカな計算があるんですか。それが重要な人物であればまだしも、単なるイチ兵士ですよ。
ところがどっこい、このバカみたいな規則は米軍で実際に存在しているらしいのです。それが『ソウル・サバイバー・ポリシー』というもの。
細かく説明するとかなり複雑なので、ざっくり説明すると…
『兄弟(もしくは親子)で軍事作戦に従事している者で、どちらか(3人以上の場合はうち1人)が戦死した場合、残りの者の生存を最優先にする』
…というもの。
まさに本作でのジェームズ・ライアンがその状況にあたりますが、この規則が正式に採用されたのは1948年。ノルマンディー上陸作戦の4年後になります。
人道的には素晴らしい規則だとは思うのですが、元陸上自衛官としてはなんともナンセンスな制度だな…と。
締めの戯言感想
…というわけで、キャストと余談だけで大半を使ってしまいました。
冒頭にも書きましたが、本作の考察やら解釈やらはすでに大量に出回っていますので、そういった内容が読みたい方はマジメな映画批評サイトをご覧ください。
なにせ私は戦争という事柄に対して人と考え方が異なっており、本音を書いたらあっちこっちから叩かれるような話にしかなりませんもの。人の命が平等だなんてコレっぽっちも思っていませんし。
ですので余計な事は言わず、
プライベート・ライアンは俳優も豪華で、20年経った今見ても非常に見応えのある名作でした。
…で終わらせるのがお互いのために良いかと。
それにしてもトム・ハンクス、コロナから回復して良かったですね~(棒読み)