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パッと見B級、序盤もB級。時にはC級並のダルさを見せつつも、後半は一気にオモロー!!というトリッキーな『映画/サマー・インフェルノ(原題:サマー・キャンプ)』でネタバレ含む戯言を。

ホント、半分くらいまでは途中で鑑賞をやめようかとすら思いましたよ…。

サマー・インフェルノ


2015年 スペイン・アメリカ

キャスト:
ディエゴ・ボネータ
ジョセリン・ドナヒュー
マイアラ・ウォルシュ
アンドレス・ヴァレンコソ

監督:アルベルト・マリーニ
脚本:アルベルト・マリーニ、ダニエル・シュレイフ

ネタバレ無しのあらすじ

子供たちのサマーキャンプを明日に控え、森の奥のキャンプ場で準備を進めるのは…

①♂ 最初はどう見ても主人公:アントニオ(アンドレス・ヴァレンコソ)
②♂ 実はこっちが主人公、チャラメガネ:ウィル(ディエゴ・ボネータ)
③♀ 見た目良し&性格良しのお姉さま:ミシェル(マイアラ・ウォルシュ)
④♀ 良いのはルックスとスタイルだけ:クリスティ(ジョセリン・ドナヒュー)

…の男女4人。

準備も整い、皆でゆっくり過ごそうと思った矢先・・・急にアントニオが凶暴化!

なぜ!?何が原因!?…って、そっちも凶暴化!?

…といった具合に何が何やらのメチャクチャ展開のクセに、意外に上手な着地を見せる作品。

厳しい前半戦

最後まで見れば決して手抜きではない事がわかるものの、映画開始~半分くらいまで感じるダメ映画っぽい空気。

不自然な描写、支離滅裂な会話、ご都合的なシナリオと展開。それに加えて気持ち悪いほどのカメラの手ブレ。パニックシーンなどでカメラを揺らす演出は理解できますが、POVでもないクセに通常シーンでもゆらゆらグラグラとカメラが揺れすぎで…ちょっぴり酔いそう。

『来るぞ来るぞ…』と思わせておいて『はい、こっちでした!』というヒネった驚かせ方も多用しすぎてもはやワンパターン。不意に人物が横から飛び出してくる演出も多用しすぎてワンパターン。

アレコレ頭を使って練っているのだろうな…とは感じる部分はあるのですが、どうにも独りよがり感が拭えません。

幸いキャストに魅力があるので耐えられるものの、これがB級ホラーでありがちな『美人という設定なのに、どう見てもブス』というキャスティングだったらどうなっていた事か…。

ちなみにその『美人という設定で、ホントに美人』のクリスティを演じているのはジョセリン・ドナヒュー。ルックスが良いのにやたらホラー系ばかり出演している方ですが、2009年のスクリームフェスト(ホラー映画の祭典)で最優秀女優賞を受賞しちゃっているので…もう彼女は一生ギャーギャー叫ぶ運命にあります。

巻き返せ後半戦

正統派なホラー映画を期待して鑑賞を始めた方が大半だと思いますが、中盤をすぎる頃には皆様「あ…そういう映画だったのか」と気づくことでしょう。そう、本作は決してガチリアルで恐ろしいホラーではないんです。どちらかと言うと『映画/キャビン』に近いノリ。

映画『キャビン』ホラー?いいえケフィアです。ネタバレ戯言。

注)当記事は『映画/キャビン』のネタバレ・結末・困惑ポイントを含みます。本作は何も知らずに観るのがオススメですので、未鑑賞の方はご注意下さい。 そのパッケージや…

キャビンほどではないにせよユーモアを含んだ演出が多数あり、笑えるチャンスがあれば笑いながら見る、お祭り的なホラー作品だったのですな。いやー、これはヤラれました。最初のうちは「え、笑って良いの?」と思わせつつ、徐々にネタを増やしていく展開もキャビン的です。

しかし単なるおふざけ大量投下でごまかすだけではないところが秀逸。

ゾンビのような状態が永続せず一定時間で元に戻るという設定は斬新ですし、さらに「毒をもって毒を制す!」とばかりに『凶暴化したヤツには凶暴化で対抗!』というノリもブッ飛んでいて宜しい。多数ちりばめた伏線も予想通りすぎてバレバレではあるものの…しっかり回収。

少々無理のある展開は相変わらずですが、個人的にはそれを補って余りあるアイデアと面白さが盛り込まれた後半ではないかと。

最後の締め方はまぁ賛否両論あるでしょうが、私としては『賛と否のちょうど中間』くらいです。

超個人的な戯言感想

…と、いうわけで。

ゴア描写は控えめ、若い男女が集まるホラーなのにお色気要素も一切無し。アメリカ・スペイン合作とはなっているものの、かなりスペイン寄りな仕上がりのホラー映画『サマー・インフェルノ』

私はジャンル問わずスペイン映画が好きなので、この色味はむしろ好ましかったです。アメリカ色が強いとインパクト重視の演出と余計な色気が鼻につくことがありますし…。

ちなみに監督のアルベルト・マリーニは、個人的に『人生の神映画3選』に入っている『映画/スリーピング・タイト』の脚本の方でした。

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そういえば『綿毛』と思わせつつ『水』が原因だ!!…は良いのですが、あの綿毛ってなんだったんでしょう。

とりあえず劇中のミシェルのように『えーと、911・・・ってここスペインやん!緊急電話何番よ!!』とならないよう、しっかり覚えてから行くことにします。たぶんスペインに行く機会などそうそうないでしょうけど…。

EU諸国は全ての国共通で『112』が緊急電話番号!

警察・消防・救急、全て共通で『112』だぞ!