映画『THE 4TH KIND フォース・カインド』実話?ネタバレ戯言

実話を基とし、実在の事件や記録映像を織り交ぜながら展開される『映画/THE 4TH KIND フォース・カインド』、果たして本当にあった話なのか?気になるネタバレも含めた戯言となります。未鑑賞の方はご注意下さい。

THE 4TH KIND フォース・カインド


2009年 アメリカ

主なキャスト:

ミラ・ジョヴォヴィッチ
イライアス・コティーズ
ウィル・パットン
ハキーム・ケイ=カジーム

監督:オラトゥンデ・オスンサンミ
脚本:オラトゥンデ・オスンサンミ

ネタバレ無しのあらすじ

アラスカ州ノーム。

夫を何者かに殺害されたアビゲイル・タイラー博士(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、心理学者として患者のカウンセリングを行いながら、夫の死の真相を究明しようとしていた。

複数の不眠症患者との面談を進めていくうち、彼らは共通して『深夜3時過ぎに目が覚め、白いフクロウを見た』という体験を口にする。

アビゲイルは催眠療法を用いて真相に迫ろうとするのだが…

・・・・といった内容のあちこちに『実際の記録映像』が挟まれる作品。


一番最初に肝心の『本当に実話なのか」に触れるよ!
未鑑賞の方は要注意!!

実話で戯言

実際に起きた事件を基としており、登場するのは実在の人物(一部の人物は仮名)、作品中に実際に撮影された記録映像を挟みこみ、最後に登場人物のその後まで紹介。冒頭には出演俳優であるミラ・ジョヴォヴィッチによる説明と警告コメントを流し…と、執拗なまでに『本当にあった話です』で押してくる本作。

しかしにわかには信じがたい内容なうえ、序盤の「アビゲイル(本人)の映像」も作中の「記録映像」もやたら嘘くさい。

…ええ、そういう事です。

本作はモキュメンタリーです(笑)

モキュメンタリーとは?

架空の出来事や事件を、いかにも本物っぽい手法で製作された『疑似ドキュメンタリー』のこと

アラスカ州ノームで起きたとされる事件も架空のものであり、アビゲイルも実在の人物ではありません。ノームにおける原因不明の死者や失踪者に関しても、作品中で大げさに表現しているほどではなく。

「フェイクニュースや偽りの情報を流布した」という事をユニバーサル・ピクチャーズも認め、アラスカ記者クラブに対し和解金まで支払ったという噂もあります(真偽のほどは不明)。

いわゆるバイラルマーケティングの一種で、ざっくり言えば映画興行の為にフェイクニュースで話題作りをしたわけですな。映画業界に限らずたまに見かけるやり口です。

しかし肝心の『実際の記録映像』も不自然すぎる部分が多いですし、『アビゲイル本人と監督の対談』なんて演技バレバレの嘘くささ。

こんなチープな映像で『いやいや、コレは本当の映像ですよ』とされても…(汗)

ネタバレで戯言

…という事で。

『実際に起きた事件』というドキュメンタリー(のフリをした映像)を織り交ぜながら物語は展開され『宙人は実在するのか!?』という謎に迫っていく事になるのですが…それだけでは飽き足らず『アビゲイルの夫は自殺だった』というオチまで付けてきてしまいました。

この『実はアビゲイル自身がヤバかった。妄想や幻覚に囚われていた』という要素をぶっ込んでくるため、最後の最後で『…ん??んんん???』となってしまう方も多いかと。私も初見時はそんな感じでした。

単純に『宇宙人系モキュメンタリー映画』だけで終わってはつまらないので、そこにサスペンス要素っぽい『アビゲイル自身の妄想だった』を入れてみた…という事なのかもしれませんが、そのどちらも腑に落ちないと言いますか…。

そこで『真実はあなたの心の中に…』とか言われても…なにその上手な言い逃れ、と言いたくもなります。

『宇宙人系モキュメンタリー』だけで見れば…

  • 白いフクロウっぽい宇宙人がノームの人々にアレコレしていた
  • 夫も同じく宇宙人の影響で自殺した
  • 娘アシュリーは宇宙人に攫われちゃった

という事なのですが、アビゲイルのモヤモヤを混ぜられてしまうと…

  • 実は娘アシュリーもアビゲイルが何かやらかしたのでは?
  • ヘタすりゃ夫の死にも絡んでいるかもしれないぞ
  • だってヤバいもん、あの人(本人とされている人)の顔

…がくっつくわけです。ところがどれも無理がある。こっちの要素を入れるにしても宇宙人的な要素を全て排除する事はできませんし、なにより「アビゲイルが何かやった」とするならば、作中に描かれていた何ヵ所かは「実はあのシーンもアビゲイルの妄想だった」という事にしないといけません。

うーむ…うむむーむ。

戯言感想

どうも中途半端な印象がありますので、もう思い切って『びっくり宇宙人モキュメンタリー!』で押せば良かったのでは?とも思いますが、アビゲイルに感するモヤモヤも「完全に余計だった」とまでは言えず。

斬新といえば斬新。しかし一周回って駄作のようだったり…。なんとも不思議な後味を残す作品でした。

しかしミラ・ジョヴォヴィッチ主演でなければ確実に「なんじゃこりゃB級映画」で終わっていた気がします。やはりキャストって大事ですねぇ。