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これまたスゴいとしか言いようがない『映画/ディアボリカル』でネタバレと独自の考察&解説を含む戯言。「スゴい」ってのは悪い意味で、ですよ(笑)

これの前の記事「映画/ファインド・アウト」でも言いましたが、全く回収しない伏線は「伏線」とは呼ばないし、無意味な怪しさで誘導するのは「ミスリード」とは呼ばないだろうが!・・・という思いが溢れかえる作品です。

ディアボリカル
(原題:Diabolical)


2015年 アメリカ

主なキャスト:

アリ・ラーター
アルジュン・グプタ
パトリック・フィスクラー

監督:アリステア・ルグラン
脚本:アリステア・ルグラン、ルーク・ハーヴィス

ネタバレ無しのあらすじ

郊外の住宅街、幼い息子と娘を抱えたシングルマザーのマディソン(アリ・ラーター)は、毎夜のように起こる怪現象に悩まされていた。

それは家の中で発光現象や振動が発生し、顔面の溶けたような怪人物が現れる…という摩訶不思議なもの。

彼女は化学教師である恋人とともに原因調査を始めるのだが、そこには驚愕の真実が隠されていた・・・。

・・・といった内容の作品。

ここからネタバレを含むよ!!

まったく引き込まれない人物と設定

もう何から書いて良いのかわかりません。

とにかく観終わった後に残るのは「・・・つまらん」という不満だけ。

楽しかった部分を必死に思い返してみても、出てくるのは「マディソン(アリ・ラーター)の尻がとても良い形をしていた」というくらいですよ。

夜ごと現れる謎のモンスター

夜になると現れる、グロテスクな見た目の怪物。扉の向こうに現れたり、壁からぬーっと手だけ伸びてきたり・・・

果ては夜に限らず、まだ明るいうちに乾燥機の中から現れたりもします。

明らかに「化け物系」のルックス。ゾンビや悪魔などの非リアルな造形です。

しかし話が進み、徐々に真実が明らかになるにつれ・・・あれ?普通に人っぽくない?あのドロドロはどうしたの?といったルックスに路線変更。

で、未来からタイムスリップしてきた人間だった・・という事が判明する頃には、すっかり人の見た目になっているじゃないですか。

「悪霊とかその手の類ですよー」の方向だと思わせるため最初はゾンビっぽい見た目にしておき、「実はリアルでしたー」となったら見た目を変える。

そういうのはミスリードとは言わないんだっつーの!

ミスリードとは?

観賞している人を誤った方向へ導くための伏線。
「こいつが犯人なんじゃないか?」と、真犯人ではない人間に疑いを向けるように演出したりすること。
鑑賞者の「隠された真実を見抜こうとする思考」をうまくコントロールすることで、驚きの展開を作るために用いたりする。

尻は良いけど人格に問題あり

とにかくダメな要素だらけなのですが、そもそもメインのマディソンが好きになれませんから。

子供達に異変があり、それを検査してくれた方が「とりあえず今のところ異常は無い。これ以上は詳しく検査してみないと・・」と、至極真っ当な事を言っているにもかかわらず「なんなんですか、それ!」「私が嘘言ってるっていうんですか!」「今すぐ原因を突き止めなさいよ!」という、面倒臭いにもほどがある反応。

ニックに「今夜泊めて」と電話しておきながらも、その後に連絡を入れなかったらしく、「泊まりにこなかったから・・・」と心配して家に来られる始末。自分からお願いしておきながらほったらかしですか?

息子が友人を殴った際も「妹を守るためだった」と必死に主張しているのに、怒りを押さえろだのなんだのと上から目線で叱りつける始末。ところが後ほど、教師が息子の行動に対して同じような事を言うと「妹を守るためだったんですよ!」とキレる。おいおいあんた、それ自分が息子に対して言ってた事だよ?頭大丈夫?

終始そんな感じ。これじゃ人生が上手くいかないのも当たり前ですよ。でも実際いるよね、こういう人。

予想通りすぎて・・・

最終的に「現れていた怪物は、未来から送り込まれた囚人だった!」という驚きの展開になり、そして「それは息子のジェイコブだった!!」という、この映画の切り札的な返しがあるのですが・・・

「未来から送り込まれた囚人だった」が判明した時点で、ちょっと勘の鋭い人間ならば「たぶん未来のジェイコブだよね」とあっさり予想できてしまうんですよね。

考えられるのは「父親」「ジェイコブ」の二択。40年後という事を考えると年齢的に父親は厳しい。じゃあジェイコブだよね、です。

「怒りっぽい」てのが、囚人となっている理由の伏線だと思っていましたが、どうやら作り手はそこまで考えていないかもしれません…。

勝手に脳内考察!

もうアレもコレもぶん投げっぱなし。観ている人が「はい??」となる事だらけのこの映画。

ならば超個人的な解釈で話のつじつまを合わせてあげようじゃないですか。

最初はモンスター

先ほども書きましたが、未来から送られた囚人のクセに最初は異世界の化け物系ルックスを使うという卑怯技。

ただ単にそっち方向の映画だと思わせるための下品なミスリードかもしれませんが、理由を考えてみましょう。

もしかしたら「実験開始当初は上手く転送することができず、あんな見た目で送られてしまった」という事ではないでしょうか。

「映画/ザ・フライ」で気持ち悪い見た目になっちゃったように、転送先で上手く「元の形」を作り上げる事ができず、ベトベトした崩れた姿になってしまったのでは・・・。

そしてだんだん実験が進み、きれいな姿で転送できるようになった・・・という事で。

話の中で「化け物は3種類いる」てな事をマディソンが言っていましたが、そのへんは回収できません(笑)

どうしてマディソンは帰ってきた!?

ここが最大のクソ要素・・・失礼、謎要素。

そもそも『消えていく未来ジェイコブに寄り添ったら一緒に未来に行った』ってトコからしてツッコミ要素満載なのですが、そこはSFということで。

えーと・・・あっち(40年後)の科学者達としたら、囚人と一緒によくわからん人が帰ってきちゃったわけですので・・・とりあえず怪我を治療してあげたのではいかと。

どのくらいあっちの時代にいたのかはわかりませんが、「転送すると40年前の自宅に出る」と知っているマディソンの希望で、再び転送してもらったのでは・・・というのが勝手な推測です。

なんであんな意味ありげな表情するのよ!?って部分はアレコレ予測できますが・・どれも飛躍しすぎるので、書きません。

ダメだこりゃ!

いろんな部分を全て考察していくと、全部読むのに1時間以上かかる文章になりそうなので・・このくらいで止めておきます。

「どうして夜の家の外観はミニチュア撮影なのだろう・・」とか「さっさと家を売れば済む話じゃん・・」とか、語ればキリがありません。

とりあえず「本気で面白い映画が観たい!」というのであれば、違う作品を観たほうがよほどマシ。

見どころと呼べるのは「マディソンの尻の形」「玄関にエゲつない罠を仕掛けて、落ちた化け物(未来ジェイコブ)をフルぼっこ」くらいです。

たまにはクソ映画をツッコミ入れながら楽しみたい・・・というならば、アリの映画ですぞ(笑)