映画に関して時々耳にする聞き慣れない言葉。今回はそんな『映画用語』の意味と用例をざっくりと解説。できるだけ小難しい言い回しを用いず、ゆるーく説明するので気楽にどうぞ。
映画を語るのに知っておきたい用語・50音順
日本語はそのまま。アルファベットは読みに準じて50音順に記載。
要点部分は黄色いアンダーラインを入れておくので、そこだけ拾い読みしても概ねの意味はわかるかと。
項目は随時追加します。
あ行
SFX(えすえふえっくす)とは?
「Special Effeects(スペシャルエフェクツ」の略で、日本語では「特殊効果」や「特殊撮影」と訳される。
その名の通り映像に対して特殊な効果を施す事で、「ミニチュアを使った撮影」や「爆薬を使った撮影」などなど。顔に施す「特殊メイク」や、びゅーんと飛んでく「ワイヤーアクション」もSFXの一種です。
似た言葉に「VFX」というものがありますが、そちらは「デジタル処理を使った特殊効果」を指します。
CG/VFX/SFXに関する詳しい記事はコチラ
⇒「映画豆知識【CG】と【VFX】の違いは?【SFX】とは?」
使用例:
派手なVFXも良いけど、やっぱりSFXならではの臨場感は別モノだよね!
エンドロール(えんどろーる)とは?
本編終了後に、出演者や製作者の名前がずらーっと並んで流れるアレ。
実は「エンドロール」は和製英語で、英語的には「エンドクレジット」と呼ぶのが本当。
演出として途中にメイキング映像を流してみたり、終了後に再び本編の続きが流れたりする場合もあり。
使用例:
あの映画のエンドロール最後まで見た?まさかあんなオマケが付いてるとは思わなかったよね!?
か行
カメオ出演(かめおしゅつえん)とは?
俳優や監督・原作者などが、ゲストとしてわずかな時間出演すること。映画では監督がエキストラやちょい役として出演する事が多い。語源は装飾品のカメオから。
たとえ監督自身が俳優として出演していても、主演であったり重要な役どころを演じている場合は「カメオ出演」とは呼びません。
使用例:
この監督っていつも自分の作品にカメオで出るよね~。
さ行
CG(しーじー)とは?
これはもう有名。「Conputer Graphics(コンピューター・グラフィックス)」の略で、デジタル処理で作成された映像の事です。
ゲームなどの美しいグラフィックがその代表ですが、「映画/カーズ」などの映像もCGによるものです。
最近はアニメ作品でもCGを使って処理している事が多くあります。
この「CG」を現実の映像と組み合わせて処理すると「VFX」という特殊効果になります。
CG/VFX/SFXに関する詳しい記事はコチラを
⇒「映画豆知識【CG】と【VFX】の違いは?【SFX】とは?」
使用例:
まるで生きているみたいにリアルな動物、あれがCGだったとは驚き!
ジャンプスケア(じゃんぷすけあ)とは?
ホラー映画などで急に「バーン!」とガラスが割れてみたり、「ドンッ!!」とドアを叩いてみたり・・・ざっくり言うと、いきなり大きな音(や映像演出)などでびっくりさせる手法の事です。
観ている観客がうひゃっ!と飛び上がっちゃうからジャンプスケア…というらしいです(所説あり)
あまりにもベタなうえに心臓に悪いので、コレを多用する映画は個人的に好きではありません。
使用例:
ジャンプスケアを多用するホラー作品は、心臓の悪いお年寄りに見せてはいけません。
信頼できない語り手(しんらいできないかたりて)とは?
小説・映画などの物語で、語り手(語り部、ナレーター)の信用性を低くすることにより、物語に謎や奥深さをもたせたり、ミスリードを誘ったりする手法。
基本は一人称で主人公の独白から始まるパターンが多いが、場合によっては三人称の形式であることも。
使用例:
本作は主人公が『信頼できない語り手』のパターンで、まんまと騙された。
た行
ディザスタームービー(でぃざすたーむーびー)とは?
さまざまな『災害』をテーマにした映画の事。
地震や津波、竜巻などの自然災害だけではなく、飛行機墜落や放射能汚染などの人災も含みますが、狭い規模だったり映画の重要なテーマとかけ離れている場合はディザスタームービーとは呼ばないのが一般的。
うわー!隕石が落ちてきたー!街中が大パニックだー!といった感じで、壮大なVFXを駆使して描かれる事が多く「パニック映画」とも共通点のあるジャンルになります。
使用例:
あの映画ってどんな内容?やっぱりディザスター系?
は行
POV(ぴーおーぶい・ぽぶ)とは?
「Point of View Shot(ポイント・オブ・ビュー・ショット)」の略で「主観視点」のこと。『ぽぶ』と読む場合も。
登場人物の視線とカメラワークを一致させる事で、その人物が見ている映像をそのまま表現する事・・・となっているものの、映画話において使用される場合は「登場人物がハンディビデオカメラなどで撮影している映像」の部分を指す事がほとんど。
モキュメンタリー映画などで多用され、「映画/REC」など、全編POVで構成させている映画も珍しくない。
使用例:
なんか最近POV映画多くない?あれって下手だと見づらいだけの映画になっちゃうよね・・・。
VFX(ぶいえふえっくす)とは?
「Visual Effects(ヴィジュアル・エフェクツ)」の事で、日本語では「視覚効果」などと訳されたりします。
コンピューターを使ってデジタル的に作られた映像効果の事で、主に「CG」を使って実際の映像に組み合わせたりする事です。
ドでかいUFOが街を襲うシーンや、驚異的な竜巻にビルが崩壊していく・・・そういった映像の事を指します。
「SFX」との違いはざっくり言うと「その場でアナログでやっているか、後からデジタルで処理しているか」になります。
「CG」を一切使用していなくとも、例えば「鏡に映りこんでしまったスタッフを後から処理で消す」「本当は何もない平原に、別撮りした城の映像を合成する」などもVFXの手法です。
CG/VFX/SFXに関する詳しい記事はコチラを
⇒「映画豆知識【CG】と【VFX】の違いは?【SFX】とは?」
使用例:
最近のVFXは技術が進歩していて、まるで現実と区別がつかないね~。
伏線(ふくせん)とは?
その後の展開に重要なポイントを、あらかじめ暗示しておく手段。
人物の会話であったり、表情などの演技であったり、その場に置いてある物であったり、・・手法はさまざま。
映画においては「明らかにこれ伏線だろっ!」という露骨な場合もありますし、二度目に鑑賞した時にやっと「これは伏線だったのか!」と気づくような、功名な含ませ方の場合もあります。
使う場合は「伏線を張る」と表現し、それに関する答えが提示される事を「伏線を回収する」と表現されることが多いです。
使用例:
まさかあの時のセリフが伏線だったとはね・・・全然気づかなかったよ~。
ポリアンナ・エンディング(ぽりあんなえんでぃんぐ)とは?
俗にいう「ハッピーエンド」の終わり方の事。
語源は小説『少女ポリアンナ』からきており、日本でも『愛少女ポリアンナ』のタイトルでアニメ化されていますので、昭和っ子なら見た事があるかもしれません。
使用例:
ポリアンナエンディングも悪くないんだけど、スリラー系は多少ダークなエンドのほうが余韻が残って良かったりするよね。え?しない?
ま行
マクガフィン(まくがふぃん)とは?
登場人物に対する動機付けのために用いられる要素。
スパイが狙う重要書類や、犯罪組織が狙う秘宝などが代表的。特にモノに限定した話ではなく、人物や場所もマクガフィンとされる。
使用例:
謎の箱がマクガフィンとして上手に機能している…とか言ってみたり。
ミスリード(みすりーど)とは?
伏線などを巧みに使って、観賞している人を誤った方向へ誘導する手法。
人物が露骨に怪しい雰囲気を出して「コイツが犯人っぽいなぁ・・・」と思わせるような単純なものもありますが、観る側の目が肥えてきた昨今では、作品の裏を読もうとするコチラの心理を巧みにコントロールするような、秀逸なミスリードが含まれる映画も。
使用例:
完全にミスリードにヤラれたよ。
まさか犯人があの人だったとはね・・・。
モキュメンタリー(もきゅめんたりー)とは?
実在の人物や出来事を描く「ドキュメンタリー」を模倣したもの。
架空の人物や出来事、事件などを、あたかも実録形式のように編集して描く手法。
POVを使用される事が多く、上手にやられると「え?え?これってもしかして実話?」となるが、下手クソだとむしろ萎える危険な手法。
使用例:
いやいや、あの映画は実話じゃないよ。モキュメンタリーだよ。
ら行
リメイク(りめいく)とは?
映画以外でも使用される言葉ですが、映画においては「過去に公開された作品を、再度作り直したもの」になります。
過去作品に影響を受けた程度のものは「リメイク」とは呼ばず、完全に「同じ原作」を使用した映画を指すのが一般的です。監督が変わる事で独自の解釈が加えられたり、シナリオに大きく変化がある場合も。また、作品タイトルがリメイク元と異なる場合も多くあります。
主にハリウッドが節操なく展開してくる手法。
使用例:
インファナル・アフェアのリメイクの観た?アレは元のほうがいいよね・・・。
ロケハン(ろけはん)とは?
「ロケーション・ハンティング」の略で、作品のイメージや時代背景にふさわしい屋外のロケ地(撮影場所)を探す事です。
別時代の物語や、独特の世界観を持つ映画などでは大事になってくる作業です。
使用例:
この映画はロケハンに苦労したらしいよ。この世界観じゃあ仕方ないかもね~。
わ行
ワンシチュエーション(わんしちゅえーしょん)とは?
「限られた一定の空間内」でのみ展開する作品のこと。ワンシチュエーションスリラーや、ワンシチュエーションコメディなど、映画のジャンルを付け加えて表現することが多いです。
基本的には「映画/ソウ」シリーズのように「作品すべてが室内だけで完結」だったり、「映画/リミット」のように「作品すべてが箱の中で完結」・・・といったものを指しますが、場合によってはその「一定の空間」に至るまでの経緯がある作品もワンシチュエーションと呼ばれたりします。例としては「屋敷内でのスリラーがメインではあるものの、そこに登場人物が集まるまでは通常の映画のように描かれる」などです。
使用例:
最近のワンシチュエーションものって、ただ単に予算をケチっただけの駄作が多いよね・・・。