2008年・ベルギー映画『ロフト.』のオランダリメイクが『LOFT-完全なる噓-』(2010年)、そしてハリウッドリメイクが今回紹介する『映画/パーフェクト・ルーム』(2014年)になります。ネタバレを含むので未鑑賞の方はご注意を。
なお2本ともリメイクにしては珍しいほどに変更無し。実に本家に忠実な仕上がりとなっております。
パーフェクト・ルーム
2014年 アメリカ・ベルギー
キャスト:
カール・アーバン
ジェームズ・マースデン
ウェントワース・ミラー
エリック・ストーンストリート
マティアス・スーナールツ
イザベル・ルーカス
レイチェル・テイラー
ローナ・ミトラ
監督:エリク・ヴァン・ローイ
脚本:ウェズリー・ストリック、バルト・デ・パウ
ネタバレ無しのあらすじ
建築家のビンセント(カール・アーバン)は、4人の友人に高級マンションのロフトルーム共有を持ち掛ける。
『証拠の残らない浮気場所』としてロフトを利用していた5人だったが、ある朝、部屋に謎の女の全裸死体が。手は手錠でベッドに固定され、血で書いたメッセージと凶器らしき刃物まで。
果たして彼女を殺したのは誰なのか。男たちは互いに疑い合うが…。
リメイクとキャストで戯言
本作は2008年ベルギー映画『ロフト.』のリメイク作品。
同映画は2010年にもオランダで『LOFT-完全なる噓-』のタイトルでリメイクされており、今回が2度目の再構築となります。
ヨーロッパやアジアの『脚本は面白いが、重苦しくて地味』な映画を、美形俳優を起用して脚本もエンターテイメント性重視に変え、リメイク!…というのはハリウッドのいつものやり口ですが、この『映画/パーフェクト・ルーム』は基本的なシナリオには一切変更無し。
なにせ本家ベルギー映画でもメガホンを取ったエリク・ヴァン・ローイが監督を務めておりますから。
しかしキャスティングはなんとも微妙と言いますか…。それなりに美男美女ではあるのものの、少々マニアックなメンツとなっております。
まずは一番目立つ、建築家ビンセントにカール・アーバン。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『スター・トレック』シリーズが有名なようですが、私はどちらも一切見たことがないので『ドラマ/ザ・ボーイズ』のブッチャーのイメージしかありませんな。
そしてドラマ繋がりでもう一人。メガネの陰キャ、ルークを演じるのはウェントワース・ミラー。
言うまでもなく『ドラマ/プリズン・ブレイク』の人ですが、残念ながらそれも見たことがなかったり…。
さらに『映画/X-MEN』シリーズで目からビームをぶっ放すジェームズ・マースデンが精神科医クリスを演じているものの、わたしゃ洋画マニアのクセに『X-MEN』シリーズも一切見たことがないという稀有な人間でして…。
結果、男性陣は『知っているが代表作を見たことはない』という俳優が勢ぞろいとなってしまいました。
次いで女性陣。
映画開始早々、ベッドに死体として転がっているのはイザベル・ルーカス。映画出演本数はそれほど多くありませんが、『映画/トランスフォーマー リベンジ』が最も有名ですかな。
私としては『映画/デイブレイカー』のほうが印象に残っていますし、それよりもシャイア・ラブーフが飲酒運転で事故(これにより彼は左手の指を2本失う)を起こした際に同乗していた人のインパクトが強すぎ。
ついでにもう1人だけ。
サイクロップスジェームズ・マースデンとイイ感じになる娼婦、アンを演じるレイチェル・テイラーは「奥菜恵がハリウッド進出!」という怪作品『映画/シャッター』に出ていた人ですので、奥菜恵世代のオッサンはぜひ鑑賞してみましょう。そりゃもうクソみたいな映画ですぞ。
ここからネタバレを含むよ!!
さすがに3本目は…
さてさて「ここからネタバレを」とか言ってみたものの。
私はロフト三作品(本家・オランダ・ハリウッド)を順番に見てきているので、このハリウッドリメイクが3本目。
本家と異なる結末だったり、独自のストーリーが追加されたリメイク作品は多くありますが、この『ロフト』に関してはオランダもハリウッドもストーリーに一切変更無し。それどころかあまりにも同一の流れで作られているため…
同じ映画を何度も見ている気分で、感動も驚きもありゃしない。
「同じ映画を何度も鑑賞する」ってのは私の趣味でもあるのですが、それはとても面白かったり大好きな俳優が出ていればの話。正直この映画にそこまでの魅力はありませんん。エロティックサスペンスと言いながらも、それほどエロくもありませんし。
日本国内ではこの『映画/パーフェクト・ルーム』しか見ていないという方も多いと思いますし、ミスリード多用で結末が二転三転する『多段どんでん返し系サスペンス』ですから、本来ならばあらすじに沿って考察や解説をしていくのが良いのでしょうが・・・まるでテンションが上がらんのですよ。
ぶっちゃけもう飽きた、って事ですな。
しかし全体的な雰囲気は三作品それぞれ異なりますので、
趣味の映画好き
→ハリウッドリメイク
目の肥えた映画マニア
→本家ベルギー
おっぱいマニア
→オランダリメイク
…というチョイスが個人的にはオススメです。
なおオランダは三作品の中で最もおっぱい比率が高く、無駄にエロティックなシーンをはさみますが、女優のルックスに関しては保証できません。というか個人的には「無し」です。
超個人的な戯言感想
…というわけで。
まるで書くことが思いつかず、テンションも上がらず、ただただ便秘のクソをひねり出すような気分で綴った今回の記事。
わたしゃもともと遅筆ですが、たったこれだけの駄文を書くのに3日もかかりましたよ…。
以前から「本家に大幅な改変を加えたリメイクは反対」(「インファナル・アフェア」をリメイクした「ディパーテッド」がその筆頭)と訴えていましたが、さすがにこの『ロフト三作品』だけは「頼むから少しは変えてくれ…」と思いましたな。