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2004年タイ映画『心霊写真』をハリウッドリメイク、しかし舞台は日本で監督も日本人、さらに奥菜恵が出演という…カオス極まる『映画/シャッター』でネタバレ含む戯言。

シャッター


2008年 アメリカ

キャスト:
ジョシュア・ジャクソン
レイチェル・テイラー
奥菜恵
デヴィッド・デンマン
ジョン・ヘンズリー
マヤ・ヘイゼン
ジェームズ・カイソン

監督:落合正幸
脚本:ルーク・ドーソン

2004年タイ映画『心霊写真』のハリウッドリメイク作品

ネタバレ無しのあらすじ

カメラマンのベン(ジョシュア・ジャクソン)とジェーン(レイチェル・テイラー)は新婚ほやほや。

仕事のため挙式後すぐに日本へ渡る事となったベンだが、ハネムーンも兼ねてジェーンも同行。ところが来日して間もなく、暗い夜道を車で移動中に一人の女性(奥菜恵)をはねてしまう。

しかし現場には女性の姿はおろか血痕すらなく・・・。

・・・といった流れから、違和感バリバリの和製ホラーで迫る怪映画。

リメイクとキャストで戯言

冒頭でも書いたように本作は2004年タイ映画のリメイク。

残念ながらそちらは未鑑賞なのでなんとも言えないのですが…米国批評家のコメントによると「本家もリメイクも、どっちもつまらん」とのこと。

私としても「ほぼ全編日本が舞台」「奥菜恵が出演」という点を差し引いてしまえば、あまり出来の良い映画とは思えず。

それにしても若い頃の彼女は本当に美人ですなぁ。まぁ現在もそれほど酷くなったとは思いませんけど。

なおパッケージは詐欺ですので、本編でこんな露出のある服装を見ることはできません(笑)

主演のジョシュア・ジャクソン、その妻役レイチェル・テイラーもそれなりに出演作品があるものの、特に思い入れはありませんので戯言もありません。申し訳ない。

もはや邦画

私が邦画を見ない理由は、なにかにつけて「これがこうで、こうなりました。その理由はこんな事があったからでした」の演出が多すぎるため。

どうして日本人てのは映画だけに限らず、あーだこーだと余計なお節介が好きかねぇ…。この過干渉な気質が嫌なのよ。

本作も日本人監督ということでそっち系の作りのため、ストーリー的な謎は一切無し。製作にも日本人が入り、カメラマンも日本人。演出や技法も古き良きジャパニーズホラーが随所に織り交ぜられており、白人さんがペラペラと話してなけりゃもはや邦画を見ている気分ですな。

しかしそのぶんアチラの作品にありがちな『ヘンテコな日本』の描写は少なめで、100歩譲れば我慢できる範囲なのではないかと。

近年の作品ですら、ハリウッド映画での『日本』の表現は「カタコトの日本語を話す日本人(という設定の中国人)」「とりあえずどんな部屋でも日本刀が飾ってある」「不自然なお辞儀と挨拶」と、もはやギャグですからな。

メグミ役の奥菜恵はもちろんのこと、セイコ役のマヤ・ヘイゼンも東京生まれだけあって日本語は自然。その他、TGK社の社員達にもカタコトで話す日本人はいません。

唯一トホホなのはセイコの元カレ・リツオだけですが、演じているジェームズ・カイソンは中国人ではなく韓国出身のアメリカ俳優ですよ。

余談ですが彼はテレビドラマシリーズ『HEROS』でも日本人アンドウ・マサハシ役で出演しており、アンドウは名字ではなくまさかのファーストネーム。名前が「安藤」という、これまたヤバい役柄名で。

…いるのか?『安藤』という名前の日本人、実在するのか?

もし本名が『安藤』の方がいたらご連絡下さい。お詫びに粗品でも送るので。


鬼畜以下の旦那…

注!)ここからネタバレあり

ネタバレと言っても、先程も申し上げたとおり実に説明過多な作品になっていますので…特に考察すべき点は無し。

「どうして奥菜恵はあんな事に?ベンとの関係は?」といった部分もしっかり明らかにし、当初は隠していた秘密もぜーんぶ説明(回想映像付き)。もはや火サス。

それにしてもベンはかなりキてますなぁ。

『単なる遊びの女に本気になられて困ったから、友人と結託して睡眠薬を飲ませて撮影し、やめないと写真をバラまくぞと脅す』

それを「悪意はなかった」って…。

せめて「ちょっと遊びで一回寝ただけ」ならまだしも、けっこう長いこと一緒にいたみたいじゃないですか。ついでにライカのカメラなんて高級なもんまで貢いでもらい、 睡眠薬飲ませる際もあんなシャレた演出で相手が嬉し泣きするほど喜ばせておきながら、二人の男に弄ばれる彼女を撮影するのはその彼女自身から贈られたライカのカメラって。

素晴らしい鬼畜だよ、あんた。

どうせそこまでやるなら、「おまえに貰ったカメラは綺麗に撮れるなぁ。ほら、もっとイイ顔しろよ」とか言いながら撮ったほうが興奮するのに。中途半端。

超個人的な戯言感想

さてさて。

「ヘンテコな日本」に関しては許容範囲としても、それ以外の部分であまりにも雑すぎる要素が多いこの映画。

  • メグミの遺体、あんなにハエたかってるんだから匂いですぐ気づくでしょ!
  • 日本の病院なのに体重計が「ポンド表示」って!(280ポンド=約127キロ)
  • 下着ちゃんを撮影するアダム、カメラにストロボ付けていない(内蔵フラッシュも上げてない)のにフラッシュ光ってるぞ!
  • こらこら、ケーキの入った箱をそんな斜めの状態で持ち帰ってくるなよ!

…と、軽く見繕っただけでこの有様。ただでさえ「心霊写真」なんてツッコミどころのあるテーマなのだから、せめてもう少し丁寧に作っていただきたかった…。

内容的にも特に面白いわけでも怖いわけでもなく、個人的には「イマイチなホラー映画」といった感想になり、奥菜恵が見れる事以外に価値を見出すのが難しい作品でした。

ちなみに彼が貢いでもらい、彼女の撮影にも使用したカメラは「LEICADIGILUX2」。なぜかストロボ付けてないクセにバシバシ光っている、アダムが下着ちゃん撮影に使用したカメラは「PENTAX・K100D」です。ホント、興味ない方にはどうでも良い話ですけど。