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今回の1本は『映画/ナイトクローラー』、ジェイク・ギレンホールが役作りのために9kg減量したとか12kg減量したとか言われている作品です。ネタバレを含むので未鑑賞の方はご注意下さい。

頭の古臭い人には「納得いかん!」と言われそうなオチの作品ではありますが、冷静になって見ればむしろ現実的だとすら…。

ナイトクローラー
(原題:Nightcrawler)


2014年 アメリカ

主なキャスト:

ジェイク・ギレンホール
レネ・ルッソ
リズ・アーメッド
ビル・パクストン
アン・キューザック
キャロリン・ギルロイ

監督:ダン・ギルロイ
脚本:ダン・ギルロイ

ネタバレ無しのあらすじ

事故や犯罪の現場に急行し、過激な映像を撮影するフリーランスの報道カメラマン、通称「ナイトクローラー」。彼らの姿を目撃した無職のルイス(ジェイク・ギレンホール)は、自分もその世界へと飛び込むことに。

まったくの初心者でありながらも、持ち前の大胆な性格と非常識さで瞬く間にナイトクローラーとしての才能を開花させていくルイス。

しかしショッキングな映像を求めるあまり、彼の行動はどんどん常軌を逸していく・・・。

・・・といった内容の作品。


キャストで戯言

主演は人気実力申し分なしのジェイク・ギレンホール

だいぶジレンホール表記が増えてきたものの、『映画/バブルボーイ』からのファンとしてはやはりギレンホールのほうがしっくりきます。

そんな彼の助手役はリズ・アーメッド。この当時はまだ無名でしたが、その高い演技力が脚光を浴びて出演作を増やしている俳優兼ラッパー。ちなみにパキスタン系イギリス人だそうな。

全体的に重く暗い絵ヅラが多い本作ですが、さらに追い打ちをかけるように

若く華やかな女優がほぼ出てこない

…という、煩悩ブレイクな仕様となっております。

主人公ルイスと男女の関係になっていくニーナを演じるレネ・ルッソを、果たしてヒロインと呼んで良いものかどうか…。そっち系がお好きな熟女フェチ、すなわち婆専野郎にはたまらんのかもしれませんが、残念ながら私は完全に射程距離外。昔(『映画/メジャー・リーグ』の頃)は可愛らしくて素敵だったんですけどねぇ。

ところがこのレネ・ルッソは本作の監督であるダン・ギルロイの実の奥様だったりするわけです。

そして監督の二人の兄弟、トニー・ギルロイとジョン・ギルロイも製作陣としてこの映画に関わっており、さらには娘のキャロリン・ギルロイも女優として出演。なにげに『ギルロイ・ファミリー映画』だったりするわけです。

キャロリン・ギルロイ
©2013 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC.

そう、この純朴そうな娘っこ。

相手の弱みにつけこんで身体の関係を迫るなら、あんなBBAじゃなくてこっちの若くて可愛い子にすりゃいいじゃないか!!

と思った男性も多いであろう、制作部のジェニー(ほぼセリフ無し)がキャロリン・ギルロイその人。監督とレネ・ルッソの間に生まれた娘です。

さらにオマケで…

このシーンの直後に呼ばれて入ってくるリンダという女性を演じているのはアン・キューザック。あのジョン・キューザックの姉だったりします。

自己中心的なヤツほど成功する

少々手前味噌な話ですが、私もルイスと同じく「だいぶいい年になってから、いきなりツテもコネも経験もない職種でフリーランスに…」という経験をしています。

そりゃもう最初の頃はルイスと同じですよ。持っている道具もまるで素人、傍から見たら場違いなだけの痛いヤツという(笑)

しかし彼のように物怖じせずにズケズケと突き進むことはできず、周囲に過剰に配慮したり自分を客観的に見つめてしまったり…。それゆえなかなか結果を出せず。

仕事だけに限らず人間関係などもそうですが身勝手な人間ほど人生うまくいったりするんですよね…。

今はそれなりに食えるようになりましたが、この映画を鑑賞した後は『自分ももっとグイグイいっていたら今頃ビッグになっていたのでは…』なんて思ったりも。


ここからネタバレを含むよ!!

ネタバレ3分あらすじ

本作はサスペンス的な『ドンデン返し』の要素はほぼなく、ただただルイス・ブルームという男の狂気を通じて「報道のあり方」さらには「善悪の定義」というツッコんだテーマを掘り下げていく作品になります。

それゆえにざっくりしたあらすじにしてしまうと…

ネタバレ3分あらすじ

ちょっと「アレ」な性格のコソ泥、ルイス・ブルームは、ひょんなことからフリーランスのスクープカメラマンになることに。

機材も技術も完全素人ではあるものの、その自己中心的かつ無配慮な性格で衝撃映像を次々に撮影していくルイス。

道徳、倫理、そんなの関係無い。いかにして人から高く評価される映像を撮影するか、それだけが彼の真理。そのためならば自分以外の人間の命も関係ない。

ただただ自らの欲望のままに突き進むルイスは最後の最後まで報いを受ける事もなく、成功者としてビッグになっていくのでした。

めでたしめでたし。

…で終わりです。

米国でも日本でも概ね高評価が目立つ作品ですが、やはり感じ方は人それぞれ。本作を『胸クソ映画』と評し、表面だけ見れば「悪が勝利する物語」と捉えられがちな結末に対し、批判的な方はいるようです。

「あのオチのせいで全て台無し」「あんな終わらせ方おかしい」「気分が悪い」…と言いたい気持ちはわからなくもないですが、そんなに勧善懲悪のストーリーが良いならば好きなだけ水戸黄門見てりゃいいじゃないですか。

そもそも『悪人は必ず報いを受ける』なんて、少年マンガじゃあるまいし…。むしろそんな綺麗事で終わらせられたほうが胸クソですよ。

ルイスがサイコパス?全く共感できない?いやいや、こんな人間いくらでも現実にいるじゃないですか。

さすがにリックを間接的に殺害する部分は『映画的で過剰な演出』ではありますが、彼のように『自己愛と承認欲求』が異様に強いタイプ、現代社会では珍しくないでしょう?

具体的に誰とは言いませんが、傲慢で自己顕示欲が強い性格のおかげでそれなりの富と名声を手にし、SNS等で独善的な発信をしている輩がいるじゃないですか。あれらとなんら変わりませんよ。

超個人的な戯言感想

…というわけで、わたし個人としてはルイスに対する不快感はあまり無く、まぁ素人がフリーランスでゼロから登っていこうと思ったら、このくらいはやらんとねと納得できたりもするのですが、そこをあまり書くとまた非難轟々で半べそかくハメになるので書きません。

いえ、もちろん彼のあり方が正しいと思っているわけではありませんよ。しかしそもそも人間社会というのは正しい形をしていませんから。

最後に笑うのは清らかで寡黙な人間ではなく、自己中心的で弁が立つ人間。いくら綺麗事で否定しようと、それが現実。私たちの住む社会がそれを証明しています。

そこを認められない(認めたくない)人にとっては、やはりこの『映画/ナイトクローラー』は胸糞映画なんでしょうなぁ…。