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注!)当記事はネタバレ&感想・評価を含みます。未鑑賞の方はご注意下さい。

今回の1本はベネズエラの作品。『映画/マザーハウス 恐怖の使者』です。

もう完全に『心霊系ホラー映画ですよ!!』の雰囲気漂うパッケージやサブタイトルですが、これがまた予想外の方向に方向転換する作品でして…。

なにはともあれ、相変わらず邦題のサブタイトルを付ける人間はセンスもクソもありませんな。

マザーハウス/恐怖の使者


2013年 ベネズエラ

主なキャスト:

ルディー・ロドリゲス
ゴンサーロ・クベロ
ロスメル・ブスタマンテ
ギジェルモ・ガルシア

監督:アレハンドロ・イダルゴ
脚本:アレハンドロ・イダルゴ

ネタバレ無しのあらすじ

1981年ベネズエラ。

ドゥルセ(ルディー・ロドリゲス)は二人の息子と夫とともに、古びた家でささやかな暮らしを送っていた。

しかし11月11日の深夜、夫は何者かによって殺害され、長男も連れ去られてしまう。1人残ったドゥルセは犯人とされ、逮捕・終身刑となる。

…そして30年後…

保釈の身となったドゥルセは事件の起こった自宅へと戻ることになったのだが…そこには再び怪現象が待っていたのだった…。

・・・といった内容の作品。

ネタバレ注意!!

とにかく本作品は『ネタバレやあらすじを知ってから見てはいけない映画』です。

そのへんを知ってしまうと面白さは半減。いやいや1/4くらいになってしまいます。

「見たいとは思うんだが、その前にどの程度の作品なのか知りたいんだよー」

という現代っ子向けに、まずは内容に触れない感じで評価をさらっとだけ書いておきますので・・・未鑑賞の方はそこまでで止めておき、回れ右してレンタルショップもしくは動画配信サービスへGo!です。

さらっと評価

この『映画/マザーハウス 恐怖の使者』を一言でいうならば・・・

『前半だらだら&後半ほほう!…結果的には思ったよりも楽しめる作品』になります。

ベネズエラ映画という事で全く知らない俳優ばかりですし、お世辞にも美男美女は出てきませんので・・・アメリカ映画にどっぷり漬かったエンターテイメント好きな方には、非常に地味な絵ヅラに感じるかもしれません。

2013年の映画ですが、演出・カメラワーク・音響効果の使い方など…全てにおいて古臭さも感じさせられます。そこをホラー映画の醍醐味と感じるか、物足りないと感じるかは人それぞれでしょう…。

予想外の結末に持っていかれるような映画が大好きな方、屁理屈こねるのが大好きなヘソ曲がりな方には最適な作品となっています。

「いやいや!!ホラー映画はグロさとお色気があってなんぼだろ!!」

…と思っているような『コアなB級ホラー映画マニア』には全くオススメできません(笑)


ここからネタバレを含むよ!!

先が読める展開多し

冒頭のつかみからのストーリー展開が面白くてグイグイ引き込まれるのに、終盤は失速してしまい、結局最後のオチも尻すぼみ…といった残念な映画は多々あります。特にアメリカのアクション映画はこの流れが多い気がします。

しかしこの『映画/マザーハウス 恐怖の使者』は逆。

とにかく冒頭から「うーむ…」という気持ちが拭えず、その後の展開もダラダラ。途中で休憩を挟みたくなります。私は途中でいったん止めてコンビニにコーラを買いにいってしまいました。

結果が先にわかってしまう部分が多いのも、そのダルさに拍車をかけています。

例えば…30年前、旦那さんが寝室から出ていったあとのシーン・・・ガチャガチャッ!!とドアノブが動き、隙間から…ぶわっ!!と手が入ってくるシーンでは…

あ・・・30年後の自分の手じゃん・・・・

とすぐにわかってしまいました。。。

なるほど、過去と現在が繋がる系なのね・・・と。

ココはもうちょっと上手に騙して欲しかったです。服の袖が完全に同じですし、肌や手の甲も同じなんですもの…。

この時点(開始から30分も経っていない)で『心霊系ホラー』ではなく『タイムリープ系』と言う事がわかってしまったので、終盤までは種のわかっている手品を見せられている気分でした。。。

伏線回収の嵐

そして『30年前と現在が繋がってますよ!!』と、すでに見えていた種を明かしてからは…壮絶な伏線回収ラッシュが始まります(笑)

『盲目の占い師の言葉…』『30年前、レオポルドが会った人物…』『凶器についていた指紋の理由…』『老人の幽霊の正体…』etc…

だろうね…とわかっていた事が大半ではあるものの、このバチバチとピースが組み合わさっていく感覚はなかなかの爽快感がありました。

予想外の展開も

伏線回収の嵐が終わって、2011年にレオポルドを連れてきたところまでの感想は、正直なところ…

「まぁ…後半はそれなりに頑張ったけど、予想外とまではいかないし…イマイチ面白みに欠けるなぁ」

…といった感想でした。だがしかしっ!

司祭=マリオ(親友)だった!!

これにはヤラれました。。。

「もう早々にタイムリープ系だって見抜いちゃったもんねー。へへーん」などと、得意げにしていた自分が恥ずかしくなります…。穴があったら入りたい。もしくは入れたい。

けっこうグッとくる展開でした。

ところがその後、幼馴染の女の子…えーと、名前忘れちゃったなぁ…あの子も成長した姿で出てきた部分はちょっと余計かな…と。マリオとの再会の感動で終わらせてもらったほうが良かった気が…。

大事にネックレスにして持っていた真珠を「これ…まだ持ってるわよ…」みたいに見せてくるのは良いんですが…

それ…別にレオポルドから貰ったわけじゃなくて、ロドリゴから貰ったヤツだよね!?(笑)

まぁもともと、母親⇒レオポルド⇒ロドリゴ⇒女の子と時間を超えて渡っていますし、レオポルドとしても思い入れのある物だとは思うのですが…女の子はそんな事は知らないはずですし。

個人的にはちょっと蛇足に感じました。

リメイクされそうな予感…

こういった『ストーリーは秀逸。しかし俳優や映像に花が無い』といった他国の映画作品を、美男美女を使ってリメイクしてくるのはアメリカお決まりのやり口。

『映画/ドラゴン・タトゥーの女』や『映画/モールス(元映画は「エリ 200歳の少女」)』などなど…成功か失敗かは別として、地味な絵ヅラの名作を華やかな作品に変えて世に放ってきます。

この『映画/マザーハウス 恐怖の使者』も、リメイクされそうな予感がするなぁ…。

個人的には「好きな映画を二度楽しめる」といった点で嫌いではありませんので、ちょっと期待しています。しかし主演にニコール・キッドマンを起用するのだけはやめていただきたい。ストーリーも含めて、あまりにも『映画/アザーズ』とカブりすぎますので(笑)

まぁなにはともあれ、最後の最後で逆転してくれたので思ったよりも楽しめる1本でした。

それにしても…あの警官って、ずーーーっと毎日あの家の前にいなきゃならないんですかね。大変だなぁ…。