コアなファンに人気のジェームズ・ガン監督『映画/スリザー』でネタバレ戯言。…といっても内容にはロクに触れないのでネタバレとは呼べませんな。
なにせ超B級のクソホラー(褒め言葉)ですので、中身なんてあってないようなもの。場末のピンサロでBBAをあてがわれた時のような気持ちで、ただただ流れに身を任せるのが大人のマナーですぞ。
スリザー
(原題:Slither)
2006年 アメリカ
主なキャスト:
ネイサン・フィリオン
エリザベス・バンクス
マイケル・ルーカー
監督:ジェームズ・ガン
脚本:ジェームズ・ガン
ネタバレ無しのあらすじ
アメリカ南西部のとある田舎町。
地元の有力者であるグラント(マイケル・ルーカー)は些細な事から妻スターラ(エリザベス・バンクス)と諍いになり、夜の酒場で一人飲んでいた。
そこで知人女性と良い雰囲気になった彼は『イチャイチャしながら森に入る』という典型的な襲われパターンに。
案の定、地球外から飛来した物体を発見してしまったグラントは、正体不明の生き物に寄生されてしまう。
・・・といった内容の作品。
B級ホラー
『映画好き』と一括りに言っても、有名俳優を起用したベタなアクションムービーが好きな人もいれば、難解なミステリーが好きな人、モヤモヤしたラブが好きな人、男と男のラブが好きな人、…と千差万別。
ちなみに私は『頭のおかしい人間が出てきて、吐きたくなるほど救いがない結末の映画』が大好きです。『ファニーゲーム』とか最高じゃないですか。
そして『B級ホラー』と呼ばれる作品が大好きな方も相当数いるようで。
残念ながら私はそっち系に詳しくありませんので、なにをもって『B級ホラー』と位置づけて良いのかわからんちんどもとっちめちん。
とりあえず『安い(演出や造形がチープ)』、『早い(100分以内)』、『うまい(バカバカしさも楽しめる)』というのが私の中でのB級ホラーの定義です。
「何を言ってるんだ、わかってないよオマエは」とお怒りのB級ホラーマニアの方がいれば、ぜひご教授いただきたく存じます。できれば軽めのお説教でお願い。
「何を言っているのよ、わかってないわアナタは」とお怒りのB級ホラーマニアの女性であれば、なおさらご教授いただきたい。どうか存分に罵ってください。ぶって下さい、辱しめてください。
オマージュとゾンビ
B級ホラー映画あるあるとして『過去の有名作品のパクリオマージュ要素を入れる』ってのがあるじゃないですか。
たしかに「おお、これはアレか!」と思うシーンを見るとテンション上がりますが、だからといってあっちもこっちもそんな演出ばかりではもはや便乗商売か、と。
この『スリザー』も名作ホラーを彷彿とさせるシーンが多数盛り込まれており、『エルム街の悪夢』や『悪魔の毒々モンスター』など、名作に便乗した演出が多数。まぁこのくらいな全然ありな量ですな。
しかし中盤以降にぶっこまれるゾンビ要素はいかがなものでしょう。この映画は地球外生物系ホラーだったはずなのに・・・(汗)
どうしてアメリカ人ってこんなにゾンビが大好きなのでしょう。ホラーはゾンビ、コメディもゾンビ、ゲームもゾンビ、なにかっつーとすぐゾンビゾンビ。
どうでも良い話ですが、若かりし頃にバーでバイトをして初めて『ゾンビ』と呼ばれるグラスがあることを知りました。最初「ゾンビ持ってきて」とか言われた時は「え?なに?ネタなの?」とか思ったものです。
どうして『ゾンビグラス』と呼ぶ?
現在は『コリンズグラス』と呼ばれる事のほうが多い『ゾンビグラス』
その呼び名の由来は諸説ありますが「ゾンビという名のカクテルを入れるのに使っていたから」という説が最も有名。
死人も目覚めるような強いカクテルだった事からその名が付き、それを入れるグラスにまでその名が影響した…というわけですな。本当かどうかは知りませんけど。
超個人的な戯言感想
やはりB級だけあり、最後まで鑑賞したところで『素晴らしい感動』も『名作らしい満足感』もありませんので、感想を言えと言われても…
普通にB級でした
としか申し上げられません。
じゃあ何が記憶に残ったのか、と問われれば・・・
物語中盤、ビル達が農場で待ち構えている前に現れたグラントの姿がフォールアウトのケンタウロスにそっくりだったという点と、
ラスト、横たわるビルを心配して這い寄るスターラの胸元がもうちょっとで見えそうだった。いや一瞬だが見えた!という点のみ。
特に後者のほうは一時停止、いや静止画像をキャプチャー&拡大して検証したくなるくらいに最大の盛り上がりでしたなぁ。
…というわけで、結局胸がどうとか尻がどうとかいう話に落ち着いてしまう私は『B級ホラーを本気で味わう』という崇高な楽しみ方はできないようです。
で、急に話は変わりますが、あなたは映画のエンドロールが始まると席を立つ派?それとも最後まで見る派?
映画好きって『エンドロールが始まるとすぐ帰る人』を嫌う傾向があるじゃないですか。最後まで観ろよ、と。
私は最後までしっかり観る派ですが、帰る人はまぁそれで良いのではないかと。立ち上がって歩かれるとちょっと見づらくなりますし、余韻に浸っているところを邪魔される気もしますが、それもまた映画館ならではの体験ですし。
この「映画/スリザー」はエンドロールを最後まで観た人へ、オマケのワンカットがあります。これも随分と古い演出ですけど。
オマケとするにはもったいない、ある意味「ベタ」な余韻を残してくれるカットですので・・・気になる方はDVDもしくは動画配信サービスでどうぞ。