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今回の1本は…パッケージもタイトルも偽り有りの『映画/ゾンビ・サファリパーク』です。

その名を聞いただけでB級もしくはC級パニックホラーの香りがプンプンすると思いますが、その予感は概ね正解(笑)

わりと高評価の方も多いようですが、私としてはもはや『子供向けマンガ』のようなショボいストーリーと演出と展開にげんなり。

いかにもらしい設定や理屈を入れて作ってはいるのですが…アレもコレも不自然だったりご都合的だったり登場キャラもぶれまくりだったりで…ただただ低レベルとしか…。

ゾンビ・サファリパーク
(原題:The Rezort)


2015年 イギリス・スペイン

主なキャスト:

ジェシカ・デ・ゴウ
ダグレイ・スコット
マーティン・マッキャン

監督:スティーヴ・バーカー
脚本:ポール・バーステン・バーガー

ネタバレ無しのあらすじ

20億人が犠牲となった『ゾンビとの戦争』が終結して7年。

その戦争で父親を失ったメラニー(ジェシカ・デ・ゴウ)は、生存者たちのセラピーで「心の傷を癒すならゾンビ狩りがいいよ」という話を聞きつけ、生き残りのゾンビ達を集めてハンティングを楽しむ施設『リゾート』を訪れる。彼氏も一緒。

ところがどっこい、何者かの手によってセキュリティが制御不能になり、ゾンビ達が島中に解き放たれてしまった!

うわー!ぎゃー!…と安っぽい映像を、ショボいカメラワークと萎えるストーリーで楽しむ90分(そのうち半分はゾンビ無し)

・・・・といった内容の作品。

本気で来るならこちらだって…

B級C級映画に本気でツッコむなんて無粋の極みではあるのですが・・・。

まず『ゾンビとの世界大戦』ってなによ!(笑)

そういう設定、かつその後の世界を描く作品はちょっと他にお目にかかった事がないので、斬新っちゃー斬新ではるのですが…。

作り手側もある程度『まぁこれはB級映画だから』と割り切ったうえで世に送り出してくる作品ならばもう少し生暖かい目で見守ってあげることもできますし、「そういう映画用」の目線で観るので評価も違ってきます。

しかしこの映画はかなり真剣に作ってきているんですよ。意外と金もかかっていますし。

そちらがそう来るならば、こちらだって本気で観るしかないじゃないですか。

ところがそうなると…あまりにもショボい世界観、穴だらけの設定、安っぽいキャラ、チープなセリフ、笑ってしまうようなカメラワークと演出、その他もろもろ…で全然楽しめません。。。

もうちょっと鑑賞側のハードルを下げるようなアプローチで来て欲しかったなぁ…と。

邦題は完全にそっち系なんですけどね(笑)

頑張って褒めよう

物事にケチをつけるのって、クセになってしまいがちです。ふと気づけば何かにつけて「それはあーだ、こーだ」と揚げ足取りをする人間になっていたり。

こういった映画ブログの中には『私は辛口評論ですから』といった感じでそれをウリにしている方もいますが、辛口である事と何かにつけてケチをつける事は別物です。安易に文句に走っていると、物事の見方が浅くなったりもします。

・・・という事で。

さんざんショボいだの安いだのと言いましたが、この『映画/ゾンビ・サファリパーク』の良い所を探して褒めようじゃないですか。子供だって褒めて育てたほうが伸びます。…まぁあまり褒めすぎてばかりいると、勘違いのバカ大人に育つ危険もありますけど(笑)

まずは『ゾンビとの闘い…のその後』というテーマは斬新。いわばよくあるゾンビ映画の続きのようなものです。ゾンビという存在をビジネスに利用する…という発想は他映画にもありましたが、ハンティングという手法は私は初めて見ました。

そしてビジネスという事は金が絡む。金が絡むと大人の事情が絡む。…という事で、しっかりと汚い大人たちの汚い思惑が渦巻いています。『難民をゾンビにして利用』というのは実にエゲつなくて良いですねぇ。

だってね、もう最初の段階でおかしいと思ったんですよ。

島でゾンビ狩りを楽しみましょう!!とかやっているものの、ゾンビって勝手に繁殖して増えないよね??どんどん狩られて数が減るゾンビはどうするのだろう…と。

まぁズブズブのザル設定だし、そのへんも見て見ぬふりしなきゃならないんだろうなー…なんて思ってました。素晴らしい!

あと褒めるところは…うーむ…

一般的なB級ホラーであれば、ちょっとお色気要素が入っていたりするので『胸の谷間が素晴らしい!!』とか『まさに噛みつきたくなる尻!』とか言えるのですが、残念ながらこの映画は真剣に作っているのでそんな部分はありません。最後のほう、メラニーがちょっぴりだけ四つん這いで這いまわるシーンで『…胸の谷間がっ!』と数秒ガン見したくらいです。

褒めたんだから言わせてもらおう

さてさて、ちゃんと良い所を探して褒めましたよ。

なので1ヵ所くらいダメ出ししても許されますよね?しっかりとオブラートに包んで控えめにするので…。

どれにしようか…

あー、アレはひどかったです。メラニーのブレっぷりというか、グダグダっぷりというか…。

最後の最後までゾンビは撃たないまま終わった…ってとこはまぁ良いんですが、ルイス(彼氏)が一人で逃げてしまった後のシーン。実は彼はすでに咬まれていた…となるや、もう素早く銃を抜いて彼氏に向けたよね、コイツ。

ゾンビに咬まれたガイドを彼が射殺した時はグダグダとめんどくさい事言っていたクセに、愛している(であろう)彼が咬まれたのを知っても「…え」とか「どうして!?」とかのセリフは無く、悲しそうなそぶりも一瞬だけ。ちょっと近づいただけで即銃を向けるってどうなのよ。

挙句の果てに「私は撃ちたくないから、あなた自分でケリつけて頂戴」の銃渡し。

ここ、おそらく『たとえゾンビになったとしても、あなたの事は撃てない…』みたいな雰囲気を出したかったのかもしれません。そういう音楽流れてますし。

しかしここに至るまでの彼女のめんどくさい性格にうんざりしているコチラとしては、もうただの薄情な女にしか見えず。

どうせなら彼氏が自ら手を差し伸べて銃を求めたほうが良かったかな…と。

美味しくありませんでした

…というわけで。

面白かった方には申し訳ないのですが、私はダメでした。

もしかしたら子供にはこのくらいのほうがウケるのかもしれません。うわべだけは設定も凝っていますし、雰囲気だけはシリアスですし。そういうの好きだよね、今の若い人。

そしてアーチャーが生きていた件には触れません。なぜ?とか、実は…とか、そういう話じゃない気がしますし、考察するのも億劫です。

しっかし、なんでゾンビ『サファリパーク』としちゃったんでしょうねぇ…。めっちゃ楽しいのに。本物のサファリパーク…。