今回の1本は『超人気モデルであるエミリー・ラタコウスキーが、神ボディを惜しみなくさらけ出して濡れ場を披露するエロティックサスペンス!』という…嫌な予感しかしないような安っぽい宣伝文句が踊る『映画/インモラル・ルーム』です。
映画の「エロスがウリ!」という謳い文句って、なぜ過剰に期待してしまうのでしょう…。
子供の頃、親に隠れてこっそり深夜のエッチな映画を観てみるも…ちょっとそれっぽいシーンが最初のほうにあるだけで、後半はよくわからないバイオレンスを延々見せられて終わる・・・という悲しい記憶が思い出されます。しかも1度や2度ではない。
そしてこの映画も、たしかにセクシーな描写はあるものの…決して『エロ』を期待して観てはいけないサスペンスのような気がします…。
インモラル・ルーム
(原題:WELCOME HOME)
2018年 アメリカ
主なキャスト:
アーロン・ポール
エミリー・ラタコウスキー
リッカルド・スカマルチョ
監督:ジョージ・ラトリフ
脚本:ベアー・マクレアリー
ネタバレ無しのあらすじ
イタリアの美しい田舎町へとバカンスにやってきたブライアン(アーロン・ポール)とキャシー(エミリー・ラタコウスキー)。
貸し切りの豪華な別荘に喜ぶ二人だが、互いの間には過去のある事件をきっかけに埋められない溝が広がっており…今回のバカンスは絆を取り戻そうという狙いもあった。
そこへ現れた隣人フェデリコ(リッカルド・スカマルチョ)。
一見親切なイタリアンプレイボーイに見えた彼だが、実はコイツがクセモノで…。
・・・といった内容に、中途半端なエロが混ざる作品。
今回は最初からネタバレを含むよ!!
盗撮・覗き
えー、最初に申し上げておきます。
盗撮・覗きは犯罪です。決してやってはいけませんし、私もやっておりません。
いいですか、決してやっていませんからね。通報などしてはいけませんよ。
・・・としっかり念を押したうえで、お話をさせていただきますが…
いやー!いいなオイ!!別荘に泊まるカップルを覗き見かよっ!
健全な精神をお持ちの方には「なにが良いのかわからない。気持ち悪い」としか感じないでしょうが、私のように歪んだ精神にアブノーマルな性癖が宿ってしまった変態にとっては『覗き』は興奮要素バツグンなわけです。
別におっぱい見れなくてもいいんです。性行為なんてしてなくてもいいんです。「誰にも見られていない」と思っている状態をこっそり見る、それが良いんです。
あ、ちょっと引いてますよね。いやいや、気にしなくて結構。
私、そういう目で見られるのは慣れてますから(笑)
あらすじで戯言
さてさて、映画の内容のお話を。
うまくいっていないカップルが仲直りのために旅行。よく聞く話ですし、私も経験があります。結果は聞かないでください。
本作の二人もそんな流れで異国の豪華な別荘を訪れたわけですが…なんとそこは変態の遊び場。
泊まりに訪れるカップルを次々と覗いては録画し、HDDに保存するばかりかネット配信までしているという…。
うーむ・・・。
正直なところ、特に映画としては驚くような設定とは感じられません…というか、こういった作品は腐るほどあります。
『ストーリーが二の次になっているエロティック作品』ほど危険なものはありませんので、ちょっぴり嫌な予感が増します。。。
それだけは見ないでっ!
物語の早々に『二人が泊まる豪邸は監視カメラだらけだった!』という事は明かされるのですが、それが明らかになった時のシーンが…
エドワルドがソファーでオナ〇ーをしている
という、誰得な映像というのは衝撃的(笑)
いやだー!先ほど「誰にも見られていない、と思っている状態をこっそり見るのが興奮」とか言っておいてなんですが、さすがに私もコレは見られたくないです。
しかも一人暮らしの自宅でハァハァやっているならまだしも…
彼女とお泊りに来ておきながら、寂しく一人オ〇ニーですよ。もう覗いている側もどんな気持ちで見守れば良いのやら・・・。
盛り上がりに欠ける…と思いきや
設定はありきたり…と言いましたが、物語の展開もありがちな流れ。
せっかくのエロスも中途半端な為、ただ淡々と2人+1人の動き(全て想定内)を眺める流れは少々ダルくなります。
強いて言うならば…なかなか面白いと思えたのはウサギ料理を囲んでの晩餐で繰り広げられる『互いに含みをもたせた会話の応酬』くらいでしょうか。
キャストも魅力的ですし、映像も美しいんですけどねぇ…B級っぽいというか…。
このあたりでどうにか巻き返して欲しいものだなぁ…期待していた矢先、エドワルドとキャシーが仲直りムードの流れになり…「ワインを取ってきて10分後に寝室に」ときました。おおっ。
これはついにまともなエロスが期待できるのでしょうか。ベッドで悶えるエミリー・ラタコウスキーのお姿にハァハァできるのでしょうか。
明らかに罠フラグっぽい気もしますが、ここでちょっぴりでもアハンウフンなシーンを見る事ができればテンションも上がるというものです。
その直後、ワインを取りに行ったエドワルドはあっさり地下室に閉じ込められてしまいますので、展開としてはやはり罠フラグ。しかしっ!!僕らには変態フェデリコがいる!彼がきっと、それはもうエロエロな事をしてくれるに違いありません。
キャシーはお化粧を直して…レコードをかけて…むむっ!?この曲はっ!!
…ヒロシ!?(笑)
気づかない?
いやー、もう頭の中は「ヒロシです…」でいっぱい。ムードが漂うというよりも、ネタの雰囲気でした(笑)
しかし肝心の目隠しプレイはなかなかエロティックでしたねぇ。シンプルな下着も実にセクシーです。
やっとまともに『エロティックサスペンス』らしいシーンで一安心なのですが、下着は着用したままなのね…。超人気モデルか何か知りませんが、おっぱいの1つや2つぐらい見せても良いのではないかと。
…というか、気づかないんでしょうかね、この女。
触られた感じや、手の質感、触り方の雰囲気などで「あれ?」って思わないんでしょうか。同じ香りがする…てだけで、彼氏だと思ってしまいますか?あのモサモサした髪もめっちゃ当たってるんですけど・・・。
ちょっと全国の女性にお聞きしたいのですが、目隠しされた状態で彼氏や旦那以外の人にアレコレされたら…違いに気づかないものなのですか?え?やってみないとわからない?
仕方ないなぁ。じゃあ目隠しをして待っていてください。私が行きますので…。
終盤は激しく失速…
あくまでも個人的な感想なのですが、フェデリコが殺害されてからの展開は最低でした。
迷わず証拠隠滅を図り、貸主であるブライアンが訪問してきたら「ヤバい、コイツも殺っちまおう」ってのはどうかと思いますよ…。
結果的にブライアンとフェデリコはグルでしたが、まだ「良い貸主さん」と思っている時点から殺る気満々でしたよね…。
そして『誰にも言えない秘密を共有することで、互いの絆が強くなりました』ってのもどうなんでしょう。
最後に無理矢理どんでん返し感を出そうとしたら変な方向に曲がってしまった…という印象が拭えません。
感想としては中途半端…
どうやらヘンな方向に曲げた結末では飽き足らず、その後さらに驚きのラストをねじ込みたかったようで…
『なんと監視映像はネット配信されていた!」
というオチが待っていました。まぁこれは悪くはないと思います。ちょっとダラダラ長すぎる気がしますけど。
とりあえず最後まで鑑賞しての感想は『エロスは中途半端。サスペンス・スリラー感も中途半端。オチも中途半端』という結論でした。
たしかにエミリー・ラタコウスキーのスタイルは良いですが、生おっぱいも生尻も見れないようでは通常作品のエロレベルにも劣ります。
フェデリコの変態っぷりも中途半端で内容も驚くような部分はありませんでしたし、結末の持っていき方も素晴らしいとは言い難い。
うーむ。
まさに私が子供の頃に見た『エロを期待したが、変なバイオレンスで終わった』という深夜映画のような…なんとも得る物の少ない作品となってしまいました。無念。