映画『パンドラム』開始10分、冷凍睡眠カプセルで…

今回の1本は…おそらく観る人によっては「おほっ!面白い!」となるであろう『映画/パンドラム』です。

映画の好みや感想は人それぞれ。面白いと思う方が間違っているとは全然思いませんが・・・個人的には「観る価値なし」に近いクソっぷりでした。

辻褄の合わないセリフ、登場人物の行動のブレっぷり。そして「どうですかー、カッコいいでしょうー」といった感じのストーリー展開と演出。

悪い意味で「いかにも映画」といった感じの、頭からっぽで観ないと楽しめないような仕上がりにげんなり。キャスティングは魅力的なのに…。

ゲーム好きな子供や、スリラーもどきのような「謎(っぽい)エンターテイメント作品」が好きな方ならばツボりそうな作品ではあります。

パンドラム
(原題:PANDRUM)


2009年 アメリカ・ドイツ合作

主なキャスト:

デニス・クエイド
ベン・フォスター
カム・ジガンデイ
アンチュ・トラウェ
カン・リー
ノーマン・リーダス

監督:クリスチャン・アルヴァート
脚本:トラヴィス・ミロイ

ネタバレ無しのあらすじ

西暦2174年。人口増加により限られた資源の争奪によって地球は滅亡寸前。

人類は新たな惑星を求め、選ばれし者達を乗せた大型宇宙船エリジウムで惑星タニスを目指す・・・。

交代のため冷凍睡眠から目覚めたバウアー伍長(ベン・フォスター)とペイトン中尉(デニス・クエイド)だが、他に乗組員は見当たらず、宇宙船内の様子もおかしい。

冷凍睡眠の影響で混乱する記憶の中、船内の調査を始めた二人だったが・・・そこには信じられないような状況が待っていたのだった。

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

抜群の安定感のデニス・クエイド

ニヤニヤと不気味なカム・ジガンデイ(キャム・ギガンデット)。

この二人が出演している時点で、かなり期待度の高い映画でした。

ベン・フォスターはこういう正統派な役どころは似合わない気がすると思うのですが・・どうでしょう?

個人的には『映画/30デイズ・ナイト』の謎の男役のような使い方がハマっていると思います。どうもメイン顔じゃないというか・・・。

いちおうヒロイン枠としてアンチュ・トラウェという女優さんが出演していますが、この作品は全体的に男だらけのムサい雰囲気で進む映画です(笑)

ここからネタバレ・・・の前に、
どうにもガッカリなポイントを…。

細かい?いやいや、ありえないでしょう!

この映画を最初に観た時、開始10分も経たないうちに「あれれ??」と思う部分がありまして。。。

冷凍睡眠から目覚めたバウアー伍長が、同室のペイトン中尉の冷凍睡眠カプセルを叩くシーンです。

ペイトン中尉のカプセルを叩く

「おーい!ペイトーン!」とバンバン叩くバウアー伍長。カプセルにはしっかり「PAYTON」と書かれています。

・・・が、その後カプセル内からのカットに切り替わると・・・

バウワー伍長のカプセルを叩く

・・・あれ?カプセルには「BOWER」って書いてあるんだけど・・・。

パイプのような物まで持ってきてガンガン叩き始め、そのまま再びバウアー背後からのカットに切り替わると・・・

やっぱりペイトン

・・・やっぱり「PAYTON」って書いてあるじゃん!!(泣)

これ、ありえないレベルのダメっぷりでしょう。ちょっとしたミスとか、揚げ足取りとかの範疇を超えていると思うのですが・・・。

この後、記憶の混乱やペイトン中尉に隠された真実など…いろいろと謎っぽい展開になるので「もしかしたらアレも伏線だったのか!?」とか思いながら鑑賞しましたが・・・最後まで鑑賞しても、これが意味のある演出だったとは思えませんでした。この映画は3度観ていますが、やはり答えは同じ。

演じているベン・フォスターだって「ペイトーン!!」と叫びながらバウアーのカプセルを叩いているのはわかっているでしょうし・・・。

ちょっとした矛盾やミスなどは別にいいんです。映画ですし。はははは、やっちゃったね(笑)で許せますさ。

しかしこんな誰でも気づくような部分をおざなりにしている、という時点で・・・もはや怠慢としか思えません。鑑賞者をバカだと思っているんでしょうか…。

ここからネタバレを含むよ!!

いつまでたっても・・・

「ペイトン叩いてるはずなのにバウアー叩いてる件」に関しては先ほども書いたように「もしかしたら意味があるのかも・・・」と思って観ましたので、まぁ心に留めておく形ではあったのですが・・。

とにかくその後の展開も「はい?」といった感じが止まらず、「宇宙船にいったい何が!?」と映画に入り込む事ができません。

どの登場人物も何をどうしたいのかがブレすぎ。そして「なんでそんな発言が出るのよ」といったおかしなセリフの連発。

記憶に混乱を生じているから・・・といった話ではなく、単純に「ただのご都合展開」で進むストーリーに魂が抜けそうになります。

さらには、まるで子供向け映画のような挌闘アクション。そしてゲームのような「争うのはやめろ!みんなで力を合わせるんだ!」のグダグダ展開。。。

もううんざりです・・・・っておいおい、下にひっぱり開ける形の換気口にそんなふうにレンチを刺しても無意味だってば。

せっかくの大人な要素が…

冷凍睡眠による記憶障害や、『パンドラム』と呼ばれる精神的疾患。

とても魅力的な要素も盛り込まれていますし、「実はペイトン中尉はペイトン中尉ではなかった!!」の流れも良かったです。

こういうスリラー要素を盛り込むのであれば、しっかりと「大人が鑑賞するに耐える作品」に作って欲しかった・・・というのが正直な感想。

ここまでゲームのような中身スッカスカの展開にするならば、もっとそっち方向に振り切っていただきたかった。それならそれでB級映画として楽しめたのに。。。

なぜこの映画を単純に「面白かった!」と感じれるのかが理解できません。。。いや、いいんですよ。好きなものは好き、で。私もみんなが酷評するようなクソ映画を絶賛したりしますし(笑)

ラストも「いかにも壮大な感じ」の映像で終わらせてはいるものの…

以前起きた「宇宙船エデンの事故」では、冷凍睡眠カプセルは船から全方向に射出されているんですよね…。海底に沈んだ状態で放出しても、半数以上は海底にめり込んじゃうのでは・・・といった事が気になって、萎え気分が増すだけでした。

「宇宙船イリジウムは船体上方にだけカプセルを射出する形になっています」って事なんでしょうか…。

そういう揚げ足取りみたいな事を言ってると映画がつまらなくなるのは重々承知しているのですが、この映画はちょっと許容範囲を超えすぎているために…もう無理です。

そういう映画でした

そうなんですよ。この『映画/パンドラム』はスリラー要素を楽しむ映画でも、ミステリー要素を考えながら観る映画でもなく・・・

「単純に頭スッカスカで観る、SFエンターテイメント映画」

という事なのでしょう。

小難しい考察は苦手だけど、ちょっとそれっぽい雰囲気があったほうが楽しい!という、雰囲気重視の映画です。

あの謎だった異形の人類がどうやって生まれたのか…にもしっかりとした理由があったり、ペイトン中尉とギャロ伍長のやりとりに違和感があった理由も全て回収されていたり…本当に素晴らしい要素がたくさんあるんです。

しかし私はダメでした。3度観ましたが、評価は変わりません。

中高生男子であればかなり面白く観れるのではないかと。それっぽい壮大な雰囲気ですし、かっこいい演出も多くありますし…露出は少ないですが、ナイスバディのお姉さんも出てきます。

私はちょっとおかしい変人ですので、おそらくダメだったのでしょう。大人しくド変態が出てくる映画でも観てお口直しといきます。

そうそう、笑えるツッコミ要素としては唯一の女キャラが…

あんた、生態系保存ラボの科学者なんだよね!?
なんでそんなにアクロバティックに挌闘できるの!?

というのが一番でした。しかもこの女に「ナディア」という名前があるのをエンドクレジットで初めて知りました。

映画の中で一度も出てこないじゃん!!

しかも言葉が通じない男も「マン」という名前があるようですし(笑)