【当ページには広告が含まれています】

鑑賞する性別・年代によって大きく評価が分かれそうな『映画/ザ・ホスト 美しき侵略者』でネタバレ戯言感想。シアーシャ・ローナン主演という事で食いついた方も多いでしょうが、ぶっちゃけSFとしては微妙。恋愛小説が原作となっているだけあり色恋沙汰にがっつり重点を置いた作品ですので、硬派なSF野郎は肩透かしを食らうような作品ですぞ。

私は思いっきり食らいました。

ザ・ホスト 美しき侵略者


2013年 アメリカ

シアーシャ・ローナン
マックス・アイアンズ
ジェイク・アベル
ダイアン・クルーガー
チャンドラー・カンタベリー
ウィリアム・ハート
フランシス・フィッシャー
ボイド・ホルブルック
スコット・ローレンス
エミリー・ブラウニング

監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル

原作はステファニー・メイヤーの恋愛SF小説『ザ・ホスト』

あらすじ

飢餓も争いも差別もない、平和な星となった地球。

だがそれは宇宙からやってきた『ホスト』と呼ばれる異星人の侵略で実現した平和であり、わずかに残った人類はいまだ抵抗を続けていた。

そんな中、生き残りの一人であるメラニー(シアーシャ・ローナン)は物語開始早々に捉えられ、ワンダラーという名のソウルに寄生されてしまう。しかし彼女の意識は消える事はなく、1つの身体に2つの魂を持った存在となるのだった。

・・・といった流れで、彼氏とチュッチュしたと思ったら今度は違う男とチュッチュする作品。

キャストで戯言

ホント、みんなシアーシャ・ローナン好きねぇ。たしかに私も昔はシアーシャ・ローナンにハァハァ言っていた時期はありましたけど。

当ブログでも「アレクサンドラ・ダダリオ最高!」とか「ヘイリー・ベネットたまらん!」とか、いろんな女性俳優を好き好き言っておりますが、決してあっちもこっちも好きな浮気者ではありません。

飽きっぽくてコロコロ変わっているだけです。

例えて言うならば『たまたま、彼女が次々と変わっている』みたいなもの。決して同時進行や浮気をしているわけではなく、その1人を(短期間だけ)心から愛しているのです。ある意味ものすごーく一途じゃないですか。本作で彼女が演じるワンダ&メラニーなんかより、よほど誠実ってもんでしょう。

だってこの女、ジェイク・アベルと濃厚なキスをしたと思ったら、「はい交代!」とばかりに数秒後にはマックス・アイアンズとベロチューですよ。

絵ヅラだけ見たらただのヤリマ・・・いえ、浮気者の男好き。これじゃ男達にとっては間接キスみたいなもんですな。

ちなみにマックス・アイアンズ(本命彼氏)は、あの大御所俳優ジェレミー・アイアンズのご子息だったり。

彼ら以外にもダイアン・クルーガーフランシス・フィッシャーなど大物が出演しております。

ネタバレになるのでここでは役柄は言いませんが、マニア好みなエミリー・ブラウニングも出演しておりますぞ。出番ちょっぴりだけど。

超ヌル設定SF映画

サブタイトルで『美しき侵略者』なんて付けられているものの、本作はドカーン!バキューン!で異星人が攻め込んでくるような描写は無し。

『人類に寄生する』というタイプの異星人ですが、よくあるグロいエイリアンが触手を人間の口にグボー!と入れるような表現はなく、首の後ろをちょぴっと切ってそこから光るモジャ毛(異星人らしい)を入れたら寄生完了。

とりあえず『地球人なんかより穏やかで善良な性質』との設定もあるようですが、どこからどういう理由で地球に来て、いったい地球で何がしたいのかは不明。明らかに地球よりも高い科学力を持っているはずなのに、武器も装備も地球人を尊重して地球レベルに合わせているので追いかけっこも地球レベル。

もはや『地球人ごっこを楽しんでいる異星人の話』ですな。

そんなツッコミどころだらけの異星人になぜこんなに人類が追い込まれたのか・・・と疑問を感じそうですが、マヌケっぷりなら地球人も負けてはいない。

なにせ侵略者から隠れて生活しているはずなのに、大音量で音楽をかけながら野外で手を取り合ってダンス!ですよ。そして突然の土砂降りでびしょ濡れになりながら熱いキスに夢中になるという。

・・・なにやってんのアンタら?

もうホント、女子をクネクネさせるために書かれたような脚本ですよ。物語のメインとなる『イケメンズに挟まれるシアーシャ・ローナン』まではご都合展開全開でそりゃもう早いのなんの。

しかし肝心の恋愛ネタになってみれば、今度はグダグダ。

彼氏ジャレドは再会するなり無言でワンダラー(中にメラニー在中)をブン殴ってみたり、かと思えば襲ってきた仲間から守ってみたり、再び「コイツは敵だ」と拒絶してみたり。思春期の中学生かおまえは。

弟ジェイミーも「おまえはメラニーじゃない」と冷たい目で拒絶したクセに、その直後に「離れろ、それは姉じゃない」と注意されれば「身体はお姉ちゃんだよ!!」と屁理屈で反論。反抗期かおまえは。

『登場人物が情緒不安定で、コロコロと言動が変わる』ってのはクソ映画の典型パターンじゃないですか。

しかし良いのですよ。なにせ本作はSF『恋愛』小説が原作ですからね。

そういうジャンルは細かいことはどうでも良いんです。とにかく雰囲気重視で、愛とか恋とかモヤモヤとかだけそれっぽく描けば良いのです。この映画も『気の強い女をイケメン二人が獲りあう三角関係(中身を入れると四角関係)』がメインであとはぜーんぶオマケ。

いきなりキスしたら殴られ、「やっぱりメラニーなんだね!!」と目をキラキラさせて信じる。そういうバカみたいな展開が気にならないどころか、そこでキュンキュンくるような人が喜べばそれで良いのです。

勝手にひでぇ戯言

なんとも失礼な事ばかり書いていますが、それなりに表現したいものがあるのだろうな…というのは理解できるのですよ。

『弟の脚の怪我で、その後の不穏な展開を予感させる』とか『感情を否定するシーカーの女性自身が、感情に支配されていく』とか、登場人物の言ってる事がコロコロ変わるのも『揺れ動く心情を表現している』のだろうな、とか…。

『1台だけ追い込まれたトラックが、最後に覚悟を決めて自決する』も、切ない感動シーンとして本気でやっているのでしょう。しかし「どう!?この展開グッとくるでしょ!?」と狙っている感が露骨すぎるうえに、ぶっちゃけサムい。そして相変わらずツッコミだらけ。

とにかくどれもこれも浅すぎて脚本をしっかり練っているとは思えず、シュールなギャグを見せられている気分にすらなりますなぁ。

イアン(彼氏じゃないほうのキス男)にしたって、あんな短期間で「メラニーではなく、ワンダ(入った異星人)の心に惚れた」とか言われて信じられます?彼氏持ちの美人な女が『外見そのまま、中身は別人』になって戻ってきたから、「お!こりゃワンチャンあるじゃん!」と食いついただけじゃないの?だっておまえ、ついこの間思いっきり首絞めてたぞ?

最終的にワンダラーを別の女性に寄生させる事で四角関係はうまいこと2:2のダブルカップルとして成立しました、ラブ万歳!

てな展開にされれもねぇ…。

「え?メラニーと全然見た目違ってブサ・・いや、ファニーなルックスだけどいいのイアンはそれでいいの!?」と心配になりますし。「命を奪ったわけじゃないの。与えたの」なんて綺麗ごと言われても、そのボディに入っていたソウルは引っこ抜いて殺したんだよね?命、奪ってるよね?と困惑。

どうせソウルを引っこ抜いて虫の息になってしまった元地球人の女性(ワンダを入れた女)を見た時に「お?コイツ可愛いなー」と目を付けてて、「あ!じゃあワンダはコイツに入れて!!」などとお願いしたんじゃないのか!?などとゲスな事ばかり頭に浮かんでしまいますよ。

あと頭の中のメラニーの語りが聞いてて痛々しくなるほどサムい。そしてうるさい。もうどうしたら良いのよ、わし。

エンディングテーマ

なんともヒドい戯言になってきたので楽しいお話を。

本作のめっちゃくそカッコ良いエンディングテーマはImagine Dragonsの『Radioactive』、わしも大好きですコレ。

オリジナルも良いのですが、個人的にはこっちのほうが好きだったり。

ベースのAvi Kaplan(真田広之ぽい人)がクソかっこいいんだわこれが。

超個人的な戯言感想

…というわけで。

本作を面白いと思った方には本当に申し訳ないのですが、揚げ足取りでわっしょいわっしょいとコケにするような事しか書けませんでした。

だって心からくだらねぇと思ったんだもの。

「ワンダラーは長すぎるな。・・・・よし、おまえはワンダだ」とか言われても「いやいや!ほぼほぼ変わんねぇだろ!」って思いませんでした?

というかワンダと言ったらタイガー・ウッズを思い出しませんでした?

結局のところ、難しい設定よりも雰囲気で楽しむ子供向け。特に女子向けの映画・・・といった印象ですなぁ。そんな映画を尻から女性を値踏みするようなオッサンが楽しめるはずがない。

…で、結局のところメラニーはなぜあんな高いところから落下しても無傷だったの?生きる意志が強いから?おいおい、あんたら正気か?