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『映画/マグニフィセント・セブン』の3人が西部に再集結!な『映画/スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー』でネタバレ戯言。高評価の方には申し訳ありませんが、ぶっちゃけ個人的にはつまらん映画でした…。

スリー・ジャスティス
孤高のアウトロー


2019年 アメリカ

キャスト:
イーサン・ホーク
デイン・デハーン
クリス・プラット
ジェイク・シュア
レイラ・ジョージ
ヴィンセント・ドノフリオ

監督:ヴィンセント・ドノフリオ
脚本:アンドリュー・ラナム

ネタバレ無しのあらすじ

暴力を振るう父親を射殺し、その弟である叔父グラントまで刺してしまったリオ(ジェイク・シュア)は、姉サラ(レイラ・ジョージ)と共にサンタフェを目指して逃亡することに。

途中、ビリー・ザ・キッド(デイン・デハーン)と遭遇したリオらは、彼を追うパット・ギャレット(イーサン・ホーク)とも知り合う。

果たして姉弟は無事にサンタフェへとたどり着くことができるのだろうか・・・。

・・といった流れのフィクション・ノンフィクションごっちゃまぜ西部劇。

キャストで戯言

まず本作の監督は『映画/フルメタルジャケット』や『映画/ザ・セル』で有名なヴィンセント・ドノフリオ。作中でもチョイ役で出演しております。

さらにイーサン・ホーククリス・プラットが共演しての西部劇となれば、嫌でも『映画/マグニフィセント・セブン』やんけ!と言いたくなるところ。

しかしあちらでは若干微妙な役柄だったイーサンは今回かなりカッコ良い役どころ。あちらで陽気なナイスガイだったクリスは今回は髭モジャの悪漢。

そこにビリー・ザ・キッド役としてデイン・デハーンが起用されているなんて、実に豪華じゃないですか。こりゃ俳優フェチならばヨダレもんですな。

まぁ脚本のせいか演出のせいか、残念ながら全体的に薄いんですけど。

なおメインとなる姉弟、弟役のジェイク・シュアは無名の子役。なにやら世間では彼を高評価している方も多いようですが、わたしゃ全然好きになれませんでした。いや、むしろ嫌いなくらいで…。

ちなみに姉役のレイラ・ジョージはヴィンセント・ドノフリオの実娘。さらに言えばあのショーン・ペンの嫁さん(歳の差、31歳!)だったり。

ヴィンセント・ドノフリオとショーン・ペンが義理の親子(歳の差、1歳)ってのも変な感じがしますなぁ。

史実に創作をぶち込む

ビリー・ザ・キッドと言えば、もはや説明不要の有名人。『映画/ヤングガン』等、彼を主人公とした作品は多数あり、そっち系が好きならばパット・ギャレットという人物を含め史実を知っている方も多いのではないかと。

本作でのビリーの最後のセリフが『誰だ?(スペイン語で)』であった点や、寝室から食べ物を取りに行ったところでパット・ギャレットに射殺されるなども、史実通りとなっております(ただし真偽は不明)。

…で、そんなフィクションに放り込まれるのが『父親を殺してしまった姉弟』と、それに絡んだ悪漢『グラント』

この『歴史介入型』ってのが本作の面白さの1つなのですな。

結果的には史実を変えることなく、それでいて歴史上の人物の中に自然にフィクションを潜り込ませる。

物語としては上手な構成であると感じます。

よし、褒めるとこはしっかり褒めましたぞ。

あとは好きな事言っても良いでしょう…。

ネタバレざっくりフロー

物語の流れをネタバレ有りでざっくりフローすると…

父親を殺してしまった姉弟がビリー・ザ・キッドと遭遇
逃走中のリオ&サラは、たまたまのノリで有名人ビリー・ザ・キッドと出会う。
そしてそのままビリーは捕縛。保安官パット・ギャレットとも知り合い、目的地であるサンタフェへ連れて行ってもらうことに。

…無法者であるビリーと一般人の姉弟を、同じ荷台のあんな近くに乗せるかね?
サンタフェで姉が攫われる
目的地のサンタフェに到着し、ビリー&パットとは別れた姉弟。
しかし叔父グラントはすでにサンタフェで待ち構えており、あっちゅー間に姉サラはさらわれる。
サンタフェで絞首刑になるビリーの仲間はえらく都合良くビリーから手紙をもらっており、これまた都合良くサラの行方が判明しそうな予感。

それにしても姉も弟も、あちこちで他人のものを盗みすぎですな。いったいどんな育てられ方したんだおまえら。
リオ、ビリーと合流…からの逃走。
盗んだ馬で走り出し、ビリーに追いついたリオは大胆な作戦(やや失敗)でビリーと接触。
パット・ギャレットは再びリオに「何か言う事はないか」と手を差し伸べるも、ビリー派のリオは語らず。

二人は隙をついて脱走し、姉を救ってもらうために旅立つのだった。
向かう先は護送中にも立ち寄ったマクスウェル牧場。
ビリー派から保安官派へ
まずは恋人の住む地に立ち寄ったビリー。
しかしなかなか姉を助けに行こうとせず、リオは少々疑い気味。
そんなのお構いなしに酒を飲んで泣き上戸のビリー。なんだこりゃ。

夜中に肉を焼いているところでパット・ギャレットに射殺されたビリーは、白いおべべで永眠。
リオは姉を助けるため、節操なく保安官派に鞍替え。
まぁ気持ちはわかるが、二度も突っぱねておいて今さら・・・ねぇ?
最後の決闘
すぐにマクスウェル牧場に向かい、姉の元へと乗り込むパット・ギャレット。
さすがは保安官、ビリーとは大違いの行動力。だから最初からこっちにしていれば…。

最後は西部劇ではお馴染みの『10歩進んでバーン、のアレで決めようぜ』で決闘。
10歩と言っておきながら、始まってみると10カウント制で10歩以上歩いていたりするのはご愛敬。
…からの横槍
…が、1対1の決闘なんてくそくらえ。
最後は横からリオがグラントを射殺するというルール無用の決着に。
キメは「なにが公正だ…」という捨てゼリフ。

たしかにおまえらの振る舞いに公正もクソもねぇだろ、と言いたい気持ちはよくわかる。
現代っ子ならではのお約束破りにパット・ギャレットもお口あんぐりで終幕。

というお話。

超個人的な戯言感想

とにかく最初から最後まで

『あまりにも都合良く進むシナリオ』『リアリティに欠ける描写』が連発しすぎており、どうにもシラケた気分が抜けず。

これはあくまでも個人的な好みによるものですが、そもそもメインとなるリオ&サラがまるで好きになれない。ビリーももう少しどうにか…といった印象で、マシに感じたのはパット・ギャレットのみ。

俳優的に見てもイーサン・ホーク以外はキャラが薄く、特にクリス・プラットに至っては残念の極み。

・・・というわけで『面白くなかった』が正直な感想でございます。

西部劇は時代背景的に構成の限界があるため、リアル路線でいくと薄味になりがちなのは重々承知しておりますが・・・それを差し引いても少々物足りないお話でしたなぁ。

まぁだからと言って『トマホーク/ガンマンvs食人族』のようなブッ飛んだ話にしろ、とは言いませんけど。