なんでしょう、このB級感は…。俳優も決して無名ばかりというわけではありませんし、プロットもしっかりしています。それなのに全体的に漂う安っぽいB級ホラー感・・・。
この『映画/モーテル』は3~4回観ましたが、何度観ても「うーん・・B級っぽい・・・」という感覚が拭えません。
なお、同様にモーテルを舞台とした『映画/アイデンティティー』と混同してしまい「ああ、モーテルね。多重人格モノでしょ?」と話す人がチョイチョイいますのでご注意を(笑)
モーテル
(原題:VACANCY)
2007年 アメリカ
主なキャスト:
ケイト・ベッキンセイル
ルーク・ウィルソン
イーサン・エンブリー
監督:ニムロッド・アーントル
脚本:マーク・L・スミス
ネタバレ無しのあらすじ
息子を不慮の事故で失った事により、離婚間際となってしまったデビッド(ルーク・ウィルソン)とエイミー(ケイト・ベッキンセイル)の夫妻。
ある夜、ひと気のない田舎道で車が故障してしまった2人は、寂れたモーテルで一夜を明かす事となる。
しかしそれが恐怖の始まりだった・・・
・・・といった内容の作品。
注)動画は予告ではなく本編の一部カット版
キャストで戯言
私が初めてこの作品を観たのはもう10年以上前。何が理由でこれを選んだのかはっきり覚えていないのですが・・・当時はスリラー系の映画ばかり観ていたので、おそらくその流れでしょう。
その後2~3回なんとなく見返し、かなり間をあけて今回再びの鑑賞です。
理由はケイト・ベッキンセイルとルーク・ウィルソンの組み合わせを見たかったため。
ベッキンセイルに関しては説明不要でしょう。華奢な美しさが魅力の大物女優です。現在は年下キラーなどと呼ばれていますけど(笑)
ルーク・ウィルソンは『映画/26世紀青年』のインパクトが強すぎて、シリアスな世界観で彼を見るのは斬新な気分。しっかり演技できる良い俳優なのですが。。。
ルーク・ウィルソンがバカな世界で右往左往する映画はこっちだ!
そしてちょっと調べてみたところ…当初、奥さん役はケイト・ベッキンセイルではなく、サラ・ジェシカ・パーカーが起用される予定だったとか。
いやー、危ない。ベッキンセイルで助かりました。
サラ・ジェシカ・パーカーだったら、なおさらB級感が強まりそうですもの(個人の感想です)
8年も・・・
聞いたところによると脚本のマーク・L・スミスはこの作品を8年かけて構想したそうで。
8年といったら、オギャーと生まれた子供はクソ生意気な事を言い始める頃ですし、若くてピチピチだった奥さんも大人の色気が出てくる頃。
それだけ長い期間をかけて練りに練ったシナリオがコレですか…。いやいや!批判しているわけでも貶しているわけでもないですよ!ただ、この内容にそこまでかける必要あったのかな…と。
ダメなわけではないんですが「うーむ・・」と思うツッコミどころが多数ありすぎて、雰囲気重視のご都合シナリオのような気もします。そこは監督の責任かもしれませんけど…。
ここからネタバレを含むよ!!
魔法のバスマット
ホント、細かいことで申し訳ないのですが、最初に観た時からものすごく気になってしかたがない点が1つあるんです。
それは・・・
秘密の地下道の上に敷いてあるマット、おかしくない?
最初にデビッドが地下道を発見した時、入口はバスルームのマットの下に隠されていました。
これ、地下道に入ってフタを閉めた後こんなふうには敷けないですよね?誰かが後からやってくれないと…
しかしデビッドが発見する前に、洗面台に血のついたリンゴを置いて、ここから出て行ってるんですよね犯人・・・。
誰がそのあと、入口の上に綺麗にバスマットを敷いたのでしょうか・・・?
どうも私はこういう「初歩的なミス」があるとダメなんですよね・・。製作陣でも誰一人おかしいと思わなかったんでしょうか。構想に8年もかけたというのに・・・。
全体的にアレな感じ
私はどうにもバスマットの件がひっかかりすぎるのですが、どうやらそんなどうでも良い事は皆さん気にならないようで…わりと高評価が多い本作。
たしかに追われる緊迫感や恐怖感は秀逸ですし、全体的に見れば悪くないんです。しかし私はヘソ曲がりですので、ちょいちょい気になる「ずさんな部分」が気になってしまい良作とは思えませんでした。
ラスト際の「腹刺されて一晩外に放置されたのに、朝まで生きているデビッド」というのも気になりましたが、彼の生命力がスゴイという事で納得しましょう。
さらには最後の最後、エイミーが警察に電話した際に「あー、そこには警官が向かってますからー」とやる気の無い対応をされるのも、
「その警官から報告もなにもなく、一晩たっても帰って来てないってのに!?」
・・・と思いましたが、田舎だからゆったりしているという事にしておきましょう。そうしましょう。
8年もかけて構想したのですから、アレコレとイチャモンつけるのは申し訳ないです。
ちなににこの映画はその後、続編となる『映画/モーテル2』も公開されています。
続編となっているものの時系列的に続いていいるわけではなく、この「殺人モーテル」の始まりを描く作品なのですが…そちらはさらにツッコミどころ満載ですよ(笑)
…というわけで、個人的にはミソクソな感想ではあるのですがケイト・ベッキンセイルが美人だから良しという事で。
ついでにどうでも良い話ですが、無駄にスタイリッシュなオープニングクレジットも長すぎますよね…。