当記事は『映画/サプライズ』のあらすじ・ネタバレ・キャスト等を含みます。未鑑賞の方はご注意下さい。
今回の1本はキツネ面の男がインパクト大の『映画/サプライズ』、原題は作品中で何度も使われる『You're Next』なのですが…なぜにサプライズ?まぁ驚きがあると言えば…あるような…無いような…。
せっかくのシャレたタイトルをイモ臭い「これじゃないタイトル」に変える風潮、いったいいつになったら変わるのでしょう…。
サプライズ
(原題:You're Next)
2011年 アメリカ
主なキャスト:
シャーニ・ヴィンソン
A・J・ボーウェン
ニコラス・トゥッチ
ウェンディ・グレン
監督:アダム・ウィンガード
脚本:サイモン・バレット
ネタバレ無しのあらすじ
両親の結婚35周年を祝うため、人里離れた別荘に集まった家族10人。
そこに突如として現れた、キツネ・ヒツジ・トラのマスクを被った男達。
襲い掛かるマスク男達に次々と殺され、逃げ惑う家族だが…驚愕の事実と驚愕の設定により事態は急展開していくのだった。
・・・といった内容の作品。
キャストで戯言
「別荘に集まった家族10人」という設定だけあって、とにかく登場人物が多いっ。
もう誰が誰なのか、まずは並べてしまいましょう。戯言はそれからです。
父・ポール:ロブ・モラン
母・オーブリー:バーバラ・クランプトン
長男・ドレイク:ジョー・スワンバーグ
長男の嫁・ケリー:マーガレット・レイニー
次男・クリスピアン:A・J・ボーウェン
次男の恋人・エリン:シャーニ・ヴィンソン
三男・フィリックス:ニコラス・トゥッチ
三男の恋人・ジー:ウェンディ・グレン
長女・エイミー:エイミー・サイメッツ
長女の恋人・タリク:タイ・ウェスト
キツネ:レーン・ヒューズ
ヒツジ:L・C・ホルト
トラ:サイモン・バーレット
なお、冒頭におっぱいを披露してくれた女性とシャワー上がりに殺される男性。本編中で名前が呼ばれる事はありませんが、彼らにもしっかり役名は付いており・・・おっぱいちゃんは『タリア』。演じるのはケイト・リン・シール(シェイル、シャイルと表記する場合も)です。オッサンは『エリック・ハーソン』で演じるのはラリー・フェセンデンになります。
ついでに最後に出てくるチョイ役の警官はカルビン・リーダーという俳優さんです。
監督繋がりで『映画 V/H/S(シンドローム)』に出演している俳優が多く含まれていますが、日本で有名と呼べる俳優は16人中0人。これぞB級映画の醍醐味です。
しかし特に書くことがなく、こっちとしてはちょっと困ります。
ライトなエンターテイメントホラー
DVDパッケージの雰囲気から、もっと重苦しく生々しいスリラー系なのかと思った方も多いかと思いますが…中身はいたってライトなエンターテイメントホラー。
しっかりと驚愕のどんでん返し(というほど驚愕でもありませんが)はあるものの、全体的に「ええ!?そんな展開っ!?」と軽いノリで楽しめます。
残酷なシーンはちょいちょいありますので、全くこの手の映像に耐性が無い方にはちょっとキツいかもしれません。しかし多少のザクッ!やスパーン!に対する免疫を備えている方ならばヌルいほうかな…といった印象でした。
それにしても…頭にミキサーをぶっ刺してコンセントオン!!…って、これを最初に思いついた人は素晴らしきド変態ですな(笑)
ココからネタバレを含むよ!!
エリン無双
『実は三男が犯人達とグル。遺産目当てで家族の皆殺しを依頼していた』ってのは、それなりに想定内ですので「うわー!サプライズ!!」というほどではなかったかな…と。
しかし『エリンは終末思想の父に育てられ、ゴリゴリに鍛え上げられていた』という設定はちょっと違う意味でサプライズ。リアルな驚きというよりも、漫画のようなぶっ飛び設定です。
しかしこれがまたカッコ良いのよ。
ガチスリラーを期待して観てしまえば嘘くさくてシラケる展開なのですが、こういったモノと割り切ってエンターテイメント気分で味わってみると、エリンのバイオニックコマンドーっぷりはなかなか痛快でした。素早い判断で躊躇なく窓から飛び降りるとこなんて惚れてしまいそうです。
最終的に皆殺しエンドの本作。総勢16名のうち、エリンが殺害したのは7名。犯人グループは3人全員の合計でも6名(扉の罠のエイミーはカウントせず)ですので、もうダントツぶっちぎりで…
今回のMVPはエリンに決定!!
…となります。おめでとう!あんた立派な殺人鬼だよ!お父さんも草葉の陰で喜んでるよ!
主題歌…のようなあの曲は?
この『映画/サプライズ』はそのBGMも非常に魅力的。公開からしばらく間をあけ、2016年2月にサウンドトラックが発売されているらしいのですが…それがなんと『LP盤(レコード)のみ。CDもデジタルもなし。しかも全世界1000枚限定』というサプライズっぷり。
外部サイト(すでに売り切れ)
現在は購入できない幻の名盤です。
しかしこの映画で真っ先に頭に浮かぶのはあの曲でしょう。おっぱいちゃんが再生して延々とループしたり、エンドクレジットで使われていたりする主題歌的なアレ。
Dwight Twilleyの『Looking For The Magic』になります。この古臭さがたまりません。
思ったよりも軽いお味でした
私も最初はもっと重っ苦しいサイコスリラーを期待して鑑賞してしまったのですが、これはこれでなかなか面白い作品でした。エリンも可愛らしいですし。
なぜ最初に無関係な隣人を殺したのだろう?という疑問がちょっぴり残りましたが、無差別殺人に見せかけるため…とか、そんな感じで納得しておくのが良いかと。
だってアレですよ!?あんなオッサンのクセにあんな若い子とあんな事ができるなんて…羨ましくてどうにかなっちゃいそうです。もう「殺してくれてありがとう!」ってなもんですよ。