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今回の1本は各国の映画祭で「あまりにも不謹慎すぎる」と物議を醸した『映画/デッドガール』。キャストは魅力的ですが見る人を選ぶ内容ですので、ネタバレも含めてご注意を。

ごく一般的な映画好きの方や、常識豊かなノーマルさんには「胸糞悪い映画」もしくは「汚くてつまらん」と感じるかもしれません…。

注!)2015年に同名の映画がありますが、今回紹介するのは2008年作品になります。

デッドガール


2008年 アメリカ

主なキャスト:

シャイロ・フェルナンデス
ノア・セガン
ジェニー・スペイン
キャンディス・アッコラ

監督:マルセル・サーミエント、ガディ・ハレル
脚本:トレント・ハーガ

ネタバレ無しのあらすじ

冴えない学生のリッキー(シャイロ・フェルナンデス)は、ずっと想いを寄せているジョアン(キャンディス・アッコラ)に気持ちを伝える事もできず、モヤモヤとした学生生活を送っていた。

ある日、友人のJT(ノア・セガン)に誘われて廃病院へと忍び込んだリッキーは、その地下で「鎖に繋がれた女」(ジェニー・スペイン)を発見する。

動揺するリッキーをよそに、まるで魅入られたように「女」に興味を示すJT。

やがてその女は「殺しても死なない」という事実が判明。JTは女を暴行し、自分だけの人形として楽しみ続けるのだが・・・

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

主演はどっちなんだ!?と迷いたくなるほどJTに食われているリッキーですが、いちおう彼がメイン。演じるのはシャイロ・フェルナンデスというイケメン野郎です。

とても有名な俳優というわけではありませんが、本作品の三年後に『映画/赤ずきん』アマンダ・サイフリッドと共演するなど、しっかりイケメン仕事に勤しんでいるご様子。

しかしなぜか本作では「パッとしない非モテキャラ」という設定に。

顔が良い俳優がこういう役柄を演じるってのは、どうにも腑に落ちない感がありますなぁ…。

そしてその彼以上に存在感を出しているJT役はノア・セガン。映画ではB級作品が多い俳優ですが、頭のイッているキャラがよく似合う悪人ヅラのナイスガイですな。

そして一応のヒロイン。リッキーがもじもじといつも見つめているジョアン役はキャンディス・アッコラ。彼女もあまり有名な女優ではありませんが、素朴な魅力があって個人的にはけっこうツボ。

そしてこの映画の影のヒロインも忘れちゃいけない。JTをも凌ぐインパクトを見せる「鎖に繋がれた女」ですが・・・ジェニー・スペインという女優さんでした。マイナーな方のようで、他の出演作品は不明です。

しかし彼女、登場からラストまで常に全裸なうえに、ボッコボコにされてみたり、汚い状態で尻丸出しになってたり・・・よくこの仕事を受けたなぁ…と(汗)


ここからネタバレを含むよ!!

あなたならどっち?

冒頭でも書きましたが、とにかくこの映画は人を選ぶ内容。

怪しくて汚い女に欲情するJTに対し、「何考えてんだコイツ!ありえないだろ!?」と感じるノーマルさんなのか、それともそれを制止するリッキーに対して「めんどくせぇヤツだな、タダなんだからヤレばいいじゃないか」と感じる犯罪予備軍なのか、はたまたその中間か・・・あなたはドコでした?

私は自他ともに認める変人で思考としてはJT寄りですので、彼に対して「ありえないだろ」という感覚は少なめ。

まぁそこに鎖に繋がれた全裸の美人がいて、誰にもバレない状態であれば・・・・ねぇ?

しかし矛盾するようですが、もしあそこにいたのが私だとしても絶対にヤリませんよ。だってあまりにも不衛生なんですもの!

まずは綺麗にしましょうよ。しっかり石鹸で身体を洗ってやり、顔も髪も洗いましょう。できれば歯も磨いてあげたいです。あのベッドも汚いですし、新しくてふかふかなベッドを運び込んでそれにしっかりと縛り付けましょう。

そういう状態にすればOKです!私もイケます!むしろ燃えます!

ただし…女優さん(ジェニー・スペイン)には申し訳ないですが、私はどう頑張っても彼女を「美人」と思う事は不可能なので…『私が美人と感じる女性であれば』の話になってしまいますけど。

童貞isパワー

出演している俳優は非常に魅力的なこの映画。しかし肝心な脚本に関してはちょっと惜しいというか…残念感が。

序盤は過剰なまでに突っ走るJTと、過剰なまでにヘタレているリッキーが少々極端すぎる気がしますし、中盤もちょっと中だるみ。

リッキー達がジョニーにボコられたあたりから不自然な展開が多くなり、終盤はもはや支離滅裂な流れをダラダラと長い尺で繰り広げるばかり。

いやいや、私はこの作品が好きですので、決して批判しているわけではありませんよ。

ツッコミどころも多々ありますが、この映画は「なんだこの女!生きてんのか!?まぁいいや、ヤッちゃえ!!」という勢いが魅力ですから。

さらに言ってしまえば「ヤレないリアル女よりも、いつでも好きにヤレるゾンビ女のほうが良いにきまってるじゃないか!!」という、穴さえあれば何でもいい的な若さのスパークを感じ取るための映画です。

童貞の頃って、それはもう凄まじいパワーを発揮するじゃないですか。私も小学2年生の頃に「エロ本が落ちているらしい」という噂の河原まで、自転車で3時間かけて行った事があります。
(当時はインターネットなどありませんので、子供が女性の裸体を見るためにはそれはもう高いハードルがありました…)

エロ本ですか?ありましたよ!!そりゃもう目を背けたくなるくらいにガチで縛られてロウソク垂らされているハードSM本が!(笑)アレはしばらくの間トラウマになりました。。。

超個人的な戯言感想

・・・と、いうわけで。

少々内容とは関係ない話に脱線しましたが、大事な大事なこの映画のラストに触れておきましょう。

さわやかな音楽が流れ、何かふっきれたような表情のリッキー。あれ?「僕は新たな気持ちで、新たな一歩を踏み出すんだ」みたいな、綺麗な終わり方にする気?この映画でそんなのあり?

…とこちらが心配している中、映像は廃病院へと変わり、地下へと進むカメラ。そして扉の先にあったのは・・・

おおおお!!これはまさに私がさっき書いた「綺麗な状態で使い放題の肉人形」ではありませんか!!!しかもジョアンですから、ルックスも申し分なし!!

いやー、やるねリッキー。このド変態がっ!

おそらくアレでしょ?「彼女を失いたくなかった」とか「たとえ心が無くなっても、僕はジョアンを愛している」とか・・・そんな綺麗な言い訳をしたいんでしょう?うんうん、そうだろう、そうだろうよ。

で、ちょいちょい通っていろんなプレイを堪能するんだよね?いいなぁ、羨ましいなぁ。

ホント、ここまで「ちょ、おまえ頭おかしいんじゃないの!?」という展開で引っ張っておきながら、最後の最後は「きれいごとエンド」で終わらせていたら、100点満点中・5点ですよ。そんな中途半端なノーマルさん向けの結末なんて不要です。どうせヤるならとことんヤッてくれないと。

全体的に暗く重っ苦しい映像が続くせいで気分が鬱々としてしまいそうな作品でしたが、それを補って余りある「結末」に着地してくれたのは実に素晴らしい。

こういう突き抜けた作品がどんどん世に出てきて欲しいものですなぁ。

・・・まぁそれはそれでヤバい気もしますけど。