今回の1本は『ラストシーン予測的中率0%!』という挑戦的なキャッチが印象的な『映画/ミラーズ』、あらすじ&ネタバレならびに戯言考察を含みますので、未鑑賞の方はご注意下さい。
しかしこの『予測的中率0%』というのがどうにも腑に落ちないと言いますか…。
ミラーズ
(原題:MIRRORS)
2008年 アメリカ
主なキャスト:
キーファー・サザーランド
ポーラ・パットン
エイミー・スマート
キャメロン・ボイス
ジェイソン・フレミング
ジュリアン・グローヴァー
監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルヴァスール
ネタバレ無しのあらすじ
拳銃の誤射により同僚を殺してしまい、停職処分中の刑事ベン(キーファー・サザーランド)。
精神的に不安定になった彼は妻子と別居し、妹であるアンジェラ(エイミー・スマート)の家に居候になっていた。
復職へ向け、過去に大火災で多数の死傷者を出した大型ショッピング施設「メイフラワー」の警備員として働き始めるベン。
しかしそこにあった大きな鏡と出会った時から、彼の周囲には不可解な現象が頻発し始める…。
・・・といった内容の作品。
注!)動画は予告編ではなく本編の一部カット版(吹き替えVer.)になります。
キャストで戯言
キーファー・サザーランドと言えば『ドラマシリーズ/24』 あまりにもイメージが固まりすぎているため、大半の方はキーファーの顔を見ただけで「ジャック・バウアーだ!」となってしまうのもやむを得ず。
幸か不幸か私は24を一切見た事がありませんので、キーファーに変なイメージはありません。というか現在の彼は好きでも嫌いでもないので何の感情も湧かず。『映画/ヤングガン』の頃はカッコ良いと思ったんですけどねぇ…。
そんな彼を取り巻く女性俳優、妻役はポーラ・パットン、妹役にエイミー・スマートという布陣です。
ポーラ・パットンは美人なうえにスタイルも抜群なのですが、出演作はそれほど多くはなく…有名なところは『映画/デジャヴ』でのヒロイン役くらい。実に惜しい女優です。
エイミー・スマートは『一見美人、でもよーく見るとちょっと残念』という微妙さが魅力。『映画/バタフライ・エフェクト』でのヒロイン役が印象的でした。
ついでに…
子役として可愛らしい姿を披露してくれるキャメロン・ボイス。『映画/イーグル・アイ』でもクリックリの可愛い笑顔を見せてくれた彼は、残念な事に20歳という若さでこの世を去っています。
まずはオチには触れずに軽いジャブだよ!
夜間警備
私も過去に、とある石油コンビナートで夜間警備のようなバイトをしていたことがありました。おそらく同様の仕事を経験した方ならばわかるかもしれませんが、どんなに不気味な場所でも「お化け系」の恐怖感は意外と感じないんですよね…。んなもんいちいち怖がってたら仕事にならんですし。
それよりも「人間」のほうがよっぽど怖い。入っちゃダメな場所と知っていて入ってくる人間、ってのはヤバいのが多いですから…。
しかしそんな私もこの『メイフラワービル』の警備は勘弁していただきたい。人が死んだ場所だから?いえいえ、そんなの別に気にしないです。何が嫌って…あのマネキンですよっ!
「そんなトコにマネキン置かねぇだろ!」という場所に、あえて狙って設置してあるかのような悪趣味な配置…。保険裁判中で着工できないのはわかるとしても、せめてアレだけでも横に集めるとかしたほうが…。
エシカー
物語中盤から出てくる『エシカー』という単語。
作品中では自然に人の名として扱われるのですが、もう最初に聞いた瞬間から私の勘がピーンときましたよ。
これはこのまま読むのではなく、
鏡に映して読むということではないのか!?
…と。なにせ鏡がモチーフとなっている映画ですから。
最後のドンデン返しとして、鏡に写った「エシカー(ESSEKER)」の文字を見て謎に気づくベン。「そういう事だったのか!!」と謎が解ける姿が想像できるじゃないですか。よし、まだ序盤ですが一時停止して確かめてみましょう。
『ESSEKER』なのだから…逆にすれば『REKESSE』、しかし鏡なので文字の左右も逆になるのだから…むむっ!!『S』は逆にすると『2』に見えなくもないぞっ。そして『E』は…まさか『3』かっ!!!
『R』と『K』はなんだろう…しかしとりあえずそのままでも『R3K3223』と意味ありげな文字列になるじゃないかっ!!がははは、早々に真実を見破ったり!!!!
…などと、絶対に『鏡に映して読む』というオチだと思っていたんですけどね。番地とか…部屋番号とか…、もしくは鍵の番号だったり。ところがどっこい、
普通に『エシカー』そのまんまでした(笑)
おおおーい、素直すぎるよー。鏡の話じゃないのかよー。
ここからネタバレとオチに踏み込むよ!
ぷるんぷるんの透け透け
『エシカーがそのまんまだった』で気分はちょと拍子抜け。『予測的中率0%!』なんて挑戦的な事を書いてあったので余計に頭を使いすぎたようです。。。
しかし『エシカーは過去に精神科病院に収容されていた患者で、実は病気じゃなくて悪魔で…』といった事が判明してからは、もう謎とかクソとか全部放り投げてのパワーゲーム展開。
そしてなぜか奥さんが『上着を脱ぐ』というサービスも追加投入。
ただでさえ「あんた胸の谷間強調しすぎじゃない?」と気になっていたのに、こんな格好でしかも濡れ濡れの透け透けですよ。
うわー、家中水浸しだー…ぷるんぷるん透け透け。
うわー、息子がヤバいー…ぷるんぷるん透け透け。
うわー、ベンのほうもヤバそうだー…ぷるんぷるん透け透け。
もう鏡とか悪魔とかどうでも良いくらい、気が散って仕方がないってば!!
悪魔…
自宅側はおっぱいと透け透けで展開されますが、それと同時に進むベン側の展開もなんと言いますか…。
アンナ婆さん曰く「私が鏡の前に戻れば悪魔が現実の世界に戻ってきてしまうの。…ごめん無理」との事、いやいや今の状態でも十分にヤバくないですか?
結局拳銃で脅して無理矢理に婆さんを連れ出し、鏡に囲まれた部屋の椅子にくくりつけるベン。…鬼だな、あんた。
その結果、婆さんもろとも鏡が勢いよくぶっ壊れて飛び散る血しぶき。…やっぱり鬼だよ、あんた。
しかし婆さんは「肉体を手に入れた悪魔」として大復活。そこから始まる、ゲームのような嘘くさい演出たっぷりの派手なアクションバトル!
・・・・え、なに、この展開?
挙句の果てにパイプに刺して?爆発して?え?
これ、悪魔的には肉体など持たず、鏡の中からアレコレしていたほうが良かったのでは…。それだとあの廃ショッピングセンターの鏡で誰かを待つだけだから、外に出たかったんですかねぇ…。
的中率0%のオチとは!?
さぁさぁ、ラストシーン予測的中率0%のオチの話ですよ。
なんとベンは最後…
鏡の世界に取り込まれてしまいましたっ!
……。
…………。
これ、予測とかそういう話じゃないのでは!?
『あの鏡はなんだったのか』とか『なぜアンナ・エシカーはあんな状態になったのか』といった部分で驚愕のオチがあるなら「うわー、予測できなかったー」と楽しめるのですが、これはちょっと違う気が…。
展開の予測というより、最後の味付けのような部分で「的中率0%」とか言われてもねぇ…。
なにはともあれ…
修道院の人は『ベンが銃を突き付けてアンナ婆さんを連れ去る』ってのを目撃しちゃってるわけですから、鏡の中の世界に取り込まれずに済んだところでベンは『老女誘拐&殺人』で逮捕されそうですし。それならば鏡の中のほうが彼にとってはマシかもしれません。
だってアレですよ。女風呂も覗き放題ですし、女子更衣室にも堂々と入る事ができるんですよ。いいなぁ、鏡の中。