【当ページには広告が含まれています】

注!)当記事は『遊星からの物体X/ファーストコンタクト』のネタバレ・感想・あらすじ・キャスト等を含みます。未鑑賞の方はご注意下さい。

今回は1982年の名作ホラー『遊星からの物体X』の続編。しかし時系列的には過去となる『遊星からの物体X/ファーストコンタクト』

初見時はかなり面白いと感じた記憶があるのですが、改めて鑑賞してみると「あれ?こんな映画だったっけ…」と少々物足りない印象も。なぜだ…。

遊星からの物体X/ファーストコンタクト


2011年 アメリカ

主なキャスト:

メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ジョエル・エジャトン
ウルリク・トムセン
アドウェール・アキノエ=アグバエ
エリック・クリスチャン・オルセン

監督:マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア
脚本:エリック・ハイセラー

原作はジョン・W・キャンベルの小説『影が行く』

ネタバレ無しのあらすじ

1982年、南極大陸。ノルウェーの観測隊は氷の奥深くに巨大な構造物を発見。それは地球外からの飛来物、いわゆるUFOであった。

古生物学者のケイト・ロイド(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、サンダー・ハルバソン博士(ウルリク・トムセン)らと共に調査チームの一員として南極へ向かい、それらの調査を開始。

氷漬けになっていた地球外生命体まで発見し、歴史に残る大発見に興奮する調査隊だったが…その夜、生命体は氷を破壊して逃亡。追跡する隊員の一人を殺害してしまう。

どうにか生命体を焼き殺す事に成功するものの、解剖により『この生命体は他の生命体を複製し、なりすます事ができる』という事が判明。

しかもすでに調査隊員の誰かが地球外生命体と入れ替わっていることまで判明する。いったい誰が…。

・・・・といった内容から、グギャー!グエー!のクリーチャーホラーが展開される作品。

キャストで戯言

前作『遊星からの物体X』は登場人物が全員男(しかもオッサンばかり)という超絶ムサい仕様でしたが、今回は目に優しく女性が主人公。務めるのはメアリー・エリザベス・ウィンステッドになります。

この後、2016年には『映画/スイス・アーミー・マン』にちょろっと出演していますが、個人的には彼女と言ったら同年の『映画/10クローバー・フィールド・レーン』が鉄板。ムッチムチ体型になったメアリーがやや露出の高い服装を披露してくれる眼福映画でございます。

そして有名どころがもう一人。カーター役のジョエル・エジャトン(エドガートンと表記される場合も)ですな。隊員が多すぎて「え?誰がカーター?」となりそうですが、最後のほうまで生き残っていたアメリカチームの彼です。ヘリを操縦し、弱いバスケットチームのファンだった彼です。こちらも出演作品の多い名俳優ですが、『映画/ギフト』の印象が強いかと。

それ以外で私が知っているのはアドウェール・アキノエ=アグバエのみ。『ドラマ/LOST』シリーズでエコーを演じたゴツい黒人の彼です。実は『映画/スーサード・スクワッド』にも出演しているのですが、もう見た目がアレですので…彼と判別するのは難しいかと(笑)

↓アレ↓

キラー・クロック
© 2016 Warner Bros. All Rights Reserved.

ここからネタバレを含むよ!!

潜む恐怖から潜まない恐怖へ

『人間になりすます』という特性から、序盤は「誰だ…誰が入れ替わっているんだ…」とドキドキ。

オラフを病院へ運ぶためのヘリが飛び立った時は絶対に「オラフが入れ替わっているに違いないっ!様子が変だもの!」とか思っていたら、まさかの付き添い人がグギャー!!「え、そっち!?ていうかこの人、名前なんだっけ!?」と二重の困惑(笑) 歯の治療痕で判別するあたりも互いに疑心暗鬼に陥っている感が出ていて素晴らしい。

しかしそんな静かな緊張感も、エドワルドがエイリアンだったと判明したあたりからは一気にお祭り状態。わっしょいわっしょいと溢れかえるキモいエイリアンの連発は、この映画が「クリチャー系SFホラー」だったことを再認識させてくれます。

前作もかなりのエグさでしたからなぁ…。

過去作への布石

本作はそのタイトル通りに『映画/遊星からの物体X』(1982年)の続編であり、物語的には続きではなくその前を描く作品。あちらの冒頭、アメリカ基地に犬を追ってやってきたノルウェー人はなぜあそこまで必死に犬を攻撃していたのか?そしてノルウェー基地の惨状はどういう経緯でそうなったのか?…をキッチリと描いていて繋げているのが素晴らしい。

『頭が二つの死骸』『壁に刺さった斧』『自ら首を切り裂いた死体』などを回収しつつ、『犬を追う隊員』に繋げてエンドです。

前作を鑑賞済みの方であれば「おおー、アレはこういう事だったのかー」と感動・・・するかどうかはさておき、名作と呼ばれる前作の設定を大切にしようとする努力は実に素晴らしい。

正当続編であっても、監督が変わると「俺は俺の解釈でいくもんね」と別モノにされる事は多く、素晴らしき名作がクソ作品に変わってしまうことは多々ありますからね…バタフライエフェクト2とか…ドニー・ダーコ2とか…

超個人的な戯言感想

宇宙船の外装らしきフィンから落下するとその先は船内…っという流れは「え?これ宇宙船だよね?気密性大丈夫?」と困惑ですし、ピアスが正体判別の決め手となった事には「じゃあ服は…いちいち脱がせて着るの!?」とモヤモヤ。しかし服の問題は前作からの伝統ですし、全体的に上手にまとまっていて楽しめる1本といった印象でした。

続編(1982年作品)ありきの作りになっているため、終わり方には少々後味の悪いものが残りますが、本作1本だけで見ても許容範囲内なのではないかと。

しかしねぇ…

『映画/30デイズ・ナイト』の時も書きましたが、南極が舞台になるとどうしても女性の露出が少ないのですよ。まぁ当たり前の事ですけど。…となると必然的に「胸の谷間がどうのこうの」とか「ヒップラインがどうのこうの」といったネタが入らず、記事も無難な内容しか書けず。

これでシャワーシーンの1つも入れてくれれば少しは見せ場も作れたのですが、そんなサービスも無し。

とりあえず前作の『全員オッサン。ハゲとヒゲ』よりはマシですが、そのあたりも前作を継承したのか、どうにも色気に欠ける作品でございました。せっかくメアリー・エリザベス・ウィンステッドが出演しているのにもったいない…。