注!)当記事は『映画/バタフライ・エフェクト』のあらすじ・ネタバレ・感想を含みます。未鑑賞の方はご注意下さい。
今回はまた古めの名作。その後2、3と続編も製作された『映画/バタフライ・エフェクト』を引っ張り出してみました。
10年以上前の作品を再鑑賞してみると「え、この人も出演してたの!?」という驚きがあって面白いものですなぁ。
バタフライ・エフェクト
2004年 アメリカ
主なキャスト:
アシュトン・カッチャー
エイミー・スマート
ウィリアム・リー・スコット
エルデン・ヘンソン
メローラ・ウォルターズ
ローガン・ラーマン
エリック・ストルツ
カラム・キース・レニー
監督:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー
脚本:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー
ネタバレ無しのあらすじ
時折、短時間の記憶を喪失することがあったエヴァン(ローガン・ラーマン)は、医師から治療の一環として日記を付ける事を勧められる。
時は過ぎ…青年に成長したエヴァン(アシュトン・カッチャー)が日記を読み返していると、不意に文字と周囲の景色がブレはじめ、なんとその当時の自分になっていた。彼は父と同様、過去に戻る力があったのだ。
現在は悲惨な人生になってしまっているケイリー(エイミー・スマート)を救うため、過去に戻って選択をやり直す事で彼女の未来を変えようとするエヴァン。
しかし過去を変える事はエヴァン自身とその周囲に大きく影響を与え、何度戻ろうともなかなか思ったような結果を得られず…
・・・・といった感じで、トライ&エラーを繰り返すエヴァンの物語。
キャストで戯言
主演はアシュトン・カッチャー。一時期デミ・ムーアと結婚していたりするアシュトンですが、個人的には特に思い入れはありません。イケメンですけど。
それよりも彼の幼少期(7歳)のローガン・ラーマンに大興奮。まさかこの作品に出演していたとは…。再鑑賞して一発目に「あれれ!?」と思ったのが彼でした。今では大好き俳優の一人ですから。
さらにちょっとしか出てきませんが、その父親役がカラム・キース・レニーだった事でさらに興奮度アップ。
『映画/ジグソウ:ソウ・レガシー』で刑事役だったり『映画/ケース39』で怪しい父親役だったりする、ダニエル・クレイグを小汚くした感じの大好き俳優です。
いやー、こういう驚きがあるから時を経ての再鑑賞はたまりませんなぁ。当時はホント俳優の事なんて全くわかってなかったんだなぁ…と恥ずかしくもなりますけど。
余談ですが、自分の娘を使って児童ポルノを撮影しようとする変態野郎ジョージ(ケイリーとトミーの父親)を演じるエリック・ストルツは『映画/ザ・フライ2 二世誕生』で主人公マーティン役だった人ですよー。
過去を変えると現在が変わる
以前なにかの戯言記事でも書きましたが、こういった「時間を戻る系」の映画ではどうしても付きまとうタイムパラドックスという問題。
作品によっては矛盾が多すぎて物語がつまらなくなってしまったりもしますが…この『映画/バタフライ・エフェクト』は見せ方がお上手。「おいおいっ!おかしいだろ?」とツッコむほどではないかなー、と。
何度も過去に戻って分岐をやり直すエヴァンですが、あっちを救えばこっちが救えず、さらにやり直してみても上手くいかず…。むしろ回数を重ねるごとに肝心のケイリーがひどい有り様になっていったり…。
ちょっとした運命の分岐によって全く違う人生になっている彼らを見ていると、人の一生ってちょっとした選択肢でこれほど変わってくるのか…としみじみ考えてしまいます。
「もしもあの時、待ち合わせに間に合っていたら…」とか「あの時に電話しなかったらどうなっていたんだろう…」とか、この映画を鑑賞した方は自分の体験に置き換えて考えてみたりしませんでしたか?
私もそりゃぁイロイロ考えてしまいましたよ。戻れるならばやり直してみたい分岐はたくさんあります。
小学校1年生の頃、授業中におしっこを漏らしてしまった日の朝に戻って、しっかりトイレを済ませたいです。
「ウチは若くて可愛い子だけだよ」と騙されてホイホイ着いていったら65歳くらいのオバチャンが出てきて切ないサービスを受けたあの夜に戻り、「今日は出かけるのやめよう!」と自宅でプレステで遊ぶ選択肢を選びたいです。
そうすれば今頃どんな人生になっていた事でしょう・・・。もしかしたら変人として肩身の狭い生活を送らなくて済んでいたかもしれません…。
別エンディング
本作のDVDには別エンディングが収録されており、レンタル版は最後の場面がちょろっと違うだけで2パターン。セル版は全く別エンディングとなるディレクターズカット版がオマケに付いてきます。
残念ながら私はセル版は未鑑賞ですので、レンタル版の別バージョンの内容を。
最終的にはケイリーと初めて出会う場面に戻り、彼女との接点を作らないという選択肢を選んだエヴァン。
全員がそれなりに幸せな人生で大人となり、成長したエヴァンとケイリーが街で偶然すれ違ってハッとするものの、互いにそのまま歩き去る。ああ、二人は別々の人生を送っていくのだな…というのがオリジナル版のエンディングです。ここがちょっと違います。
別バージョンその1:
ケイリーとすれ違ったエヴァンは何かを決意したように振り返り、ケイリーの後を追っていき…という形でエンド。
「あ、もしかしたらこの後、声をかけたりするのかな?出会いをやり直すのかな?」といった雰囲気で、オリジナルよりも救い要素を含んだ終わり方です。
まぁ…無くはないかな?
別バージョンその2:
すれ違った後に彼女を追い、会話までしたうえにお茶に誘って成功するという…。
これはちょっとやりすぎ。たしかにハッピーエンドではあるのですが、最後の最後で駄作にされてしまった感があります。
やっぱりオリジナル:
個人的にはオマケの2パターンよりも、やはりオリジナル版が最も好きです。中途半端に救いを残さないからこそ、この映画の切なさが際立って良いんじゃないかな…と。
続編は…
国内外問わず非常に高い評価を受けているこの『映画/バタフライ・エフェクト』
今から15年も昔の作品でこのレベルならば、その評価も納得です。
しかしこの後に続く『映画/バタフライ・エフェクト2』は、それはもうクソな作品なんですよね…。あれはもうタイトルと設定(過去に戻る能力)が同じなだけの別作品。まるで『映画/ドニー・ダーコ』と『映画/ドニー・ダーコ2』のような関係です(笑)
そこからさらに『映画/バタフライ・エフェクト3』を送り出してくるのですが、こっちはなかなか面白いですよ。なんか設定がヘンな事になってますけど…。
なにはともあれ、洋画好きならば知らない人はいないであろうバタフライ・エフェクト。久しぶりに見ても相変わらず美味しくいただく事ができました。
この流れで続けて2、3と再鑑賞してみたいと思いますので、そちらでまたお会いしましょーう。